湾に面した公園の芝生広場を展望塔から見下ろす。白い堤防の向こうは海で、コンテナ船やタンカーや・・・いろんな船が航行していく。海を挟んだ向こう側にある空港からは旅客機が離陸していき、あるいは着陸していく。離陸することをTAKEOFFと言うのを知ったのは70年代にTULIPと言う日本のフォークロックバンド・・・などと説明しなくてもある世代の方々なら誰でも知ってますね・・・の「青春の影」が収録されているアルバムタイトルがTAKEOFF(離陸)だったからだ。
高校生だった私は「青春の影」で歌われる、自分の大きな夢を追うことが今までの僕の仕事だったけど君を幸せにするそれこそがこれからの僕の生きるしるし(でしたっけ?調べずに記憶だけで書いてます)という歌詞は同意できなかったな。なんとなく恋愛が夢に負けていいのか!?なんて感じたんじゃないかな?まぁでも、TULIPがあるいは財津和夫がそう歌うんだから、そういう考えもあるんだろう、とか思っただろうか。
展望台の窓ガラスは潮風にさらされてだいぶ汚れていて、写真を撮ってもまるでソフトフィルターを被せたような、あるいは黒が黒に締らない靄が被ったような写真になっている。それをフォトショップで自動コントラスト補正をするとこうなった。だから本当の景色よりラチチュードが相当詰められて諧調が失われている写真のはずだ。すなわち写真はさておき、この窓ガラス越しに私の目が見下ろしていた外の景色はもっとふんわりと、ぼんやりとしていた。そんなことはここに書く意味がないかもしれないが、そういう景色を見ていたってことを書き残してもいいんじゃないか。どうせならぼんやりと写ったままの写真をアップすればいいのに、ここまで修正してしまったのは、そとづらを良くするようなことだろうか。
展望台をここまで上がる、その手段は階段しかなかった。展望フロアまで上がると最初は誰もいなかった360度窓ガラスでつながっていて、全方向を見ることが出来る。そのうち小学校低学年の女の子とその父親が上がってきた。彼らは私より先に階段を降りて行き、ついで今度は私と同年配のおじさんがやってきた。はぁはぁと荒い息が聞こえる。そのうち彼も降りて行ったからまた一人になった。大きな船が進む速さは思いのほか早い。着陸したり離陸してくる飛行機の間隔は意外に短い。ふーん、なるほどね、と思う。それだけ。
追伸的に、追記。明日は雨の土曜の予報。アマゾンでポチっておいた村上春樹の新作が届いているので、その本を読んで過ごそうかな……