通勤電車が出発

 2014年の写真を見に例によってHDDに過去へのタイムトラベルをするとオーストラリアのシドニーへ出張したときの写真が現れた。ナイトフライトで朝到着、仮眠を取って、その後、現地で二泊して三日目の早朝便で日本に戻る、という短日程だった。覚えているのは帰る日の早朝の5時か6時にホテルをチェックアウトしているときに、ロビーフロアに何故かザ・バンドのステージ・フライトが流れていたことと、仕事の懇親会で生牡蠣を何種類も食べてお腹が心配だったが結果は大丈夫だったこと、それから泊数と持っていく下着の枚数を間違えていて(下着が足りない)手洗いして陽がさすホテルの窓に引っ掛けて乾かしたことくらいだ。短い旅程だったから、しかも下着をワンセット忘れていたから、小さめのショルダーバッグに衣類を詰めたトートバックしか持って行かず、日本に戻ったときに空港の税関で、それしか荷物がなくて大丈夫?スーツを受け取るの忘れてないですか?と聞かれたことくらいだ。

 だから写真を見直して、それをきっかけに思い出すこともあまりなく、いま初めて知ったように、ホテルって鉄道と高速に面していてその向こうにヨットが停泊する海があったんだな、と知るのだった。時差がないから、オーストラリアへ行くのは比較的らくちんで、夜はちゃんと眠れる。朝早く起きるのも変わらない。写真を見直すと、ホテルの窓からもうすぐ明るくなる早朝、すぐ前にある駅から二階建て車両の通勤電車が発車していくところが何枚も撮ってあったし、その向こうの高速道路の車を流し撮りした写真もあった。当時のデジカメはいまほど高いISOが設定できず、暗い所で高速シャッターを使えないから、半分以上ぼけていた。写真はなんとか手振れしていない写真。駅名のところを拡大するとミルトンズポイントって書いてあるのかなぁ・・・流れて写っている電車の明かりがきれい。青いホームの屋根もいい色だ・・・とこんなことは全部写真に対する感想で、そのとき自分がリアルタイムでその美しい風景を見ていたことはなにも覚えていない。

 オーストラリアは薬の持ち込みが厳しいと聞いたので、毎日飲んでいる高血圧や不整脈の薬を小分けにし、英語で薬の説明を書いた紙を袋に入れて、入国審査も通常の列ではなく、薬持ち込みの列に並んでみたら、通常よりずっとスムーズに入国審査を通れた。「なんだおまえ、そういう常備薬みたいなので、いちいちこっちじゃなくてもいいのに、OK、さっさと通っていいぜ」って感じだったのかな?