お世話になりました、来年もよろしく

 オイルを回転軸付近に注入したレコードプレイヤーのトーンアームは、少しスムーズに回転できるようになってきて、それでもLPレコードの片面全部を一度も針が飛ばないままに再生できるところまでは治らないけれど、頻度として六曲中の四曲くらいは飛ばないで再生できるようになってきた。これ以上よくなるものなのか、一過性の回復で、むしろこのあとガクッと壊れてしまうのかはわからない。

 選んで引っ張り出したわけではなくて、たまたま指に当たったからという理由で、レコードを押し込んでいる棚から引っ張り出したら、それはポリス(スティングのいたイギリスのロックバンド)のアルバムで、ロクサーヌやソー・ロンリーが入っていた。トーンアームの回転が渋くなっていて、ぎりぎり針が飛ぶか飛ばないは、レコードの溝の深さに起因していると思うものの、ポリスのアルバムだとそれまで回していたトム・ウェイツのアルバムと比べて、ほとんど針が飛ばない。それはポリスの初期の疾走感と黒い感じもあるロックだからじゃないか?と思った。いいぞいいぞ!

 だけどトム・ウェイツも当時のウエストコーストロックという分類のちょっと外側にいて、ずいぶん「夜っぽい」音楽だ。暗いとか重いではなくて「夜っぽい」。針を簡単に飛ばさずに捕まえていそうだけど・・・よそう、繰り返すけど、針の飛ぶ飛ばないと音楽性に関係があるわけない。

 1980年代に山川健一の小説をずいぶん読んだ。たしか「壜のなかのメッセージ」という小説にポリスが出てきた。そんなことがずるずる思い返され、もしかするとあの頃単行本で買った本がまだ本棚のどこかにあるかもしれないと、腕組しながら本棚を見上げた。こういうとき、大抵はその後の40年のどこかで本を売るか捨てるかしてしまい、いまはもうない、となるのだが、そして、いまはもうない、が一番落ち着きどころとして良かったりするのだが、なんと、この本は本棚の上の方の段の右側隅にあったのだ。やれやれ、これでまた冬休みがノスタルジー色に染まっちゃうんじゃないか?1981年の初版。

 今日で12月も30日、しばらくずっと晴れの日が続いている。でも明日の大晦日南関東は久しぶりに雨が降るらしい。部屋の片づけをするのにちょうどいいじゃないか。晴れているとついついカメラをぶら下げて、外に出てしまうから。

 たぶん、この2023年のブログのアップは、今日でお終いにすると思います。毎日適当に、だらだらとそのときたまたま思いついたことを書いてきましたが、読んで下さる方、あるいは写真だけでも一瞥してくださる方、有難うございました。良いお年を。来年もブログを書きます。

 PS 写真は横浜の山下公園です。