花水河口


 11月にカフェハッチで開催する写真展のDMが出来上がっていて、昨日午後にDM配達の宅急便が来たのだが、町田に行っていて不在だったのでまだ受け取れず、昨晩、再配達を今日の午前の時間指定でお願いしておいた。で、私、こういうの苦手でありまして、宅急便が来たときに玄関まですぐに出られる状況にしておかないと不安で仕方ない。だからおちおちトイレも行けない。ゴミだしにも行けない。ゴミを出しにマンションの階段を降りているあいだに宅急便配達はエレベーターを使って来て、すれ違う可能性がある。テレビも見ない。テレビに夢中になって音声を聞いていてピンポンを聞き逃すかもしれない。。。等々。だから8時過ぎから今か今かと、新聞を読んだり本を読んだりしながら、ずっと待っている。結局、届いたのは11時45分だった。3時間以上も待っていたことになった。文庫になった青木淳吾著「四十日と四十夜のメルヘン」に収録されている「クレーターのほとりで」を読んでいるのだが、待っているあいだの時間つぶし的な読書であると本に入り込めない。でも朝日新聞の俳句選のところなんかほとんど読んだことがなくて、今日はそんなわけでじっくりと読んでみたら、面白かった。花鳥風月の描写だけではなく、個の暮らしのエピソードを含むような句に想像が膨らむものなんだな。

 午後、車を運転して亡父の墓参に行き、帰路に実家に寄る。実家に車を置いて、平塚市と大磯町の境界を流れる金目川(河口あたりでは花水川とも言う)の河口あたりの砂浜に行ってみる。この付近は、私が高校2年のときに写真部に入って(中学と高校1年まではブラバンだった)、以降、高校のときも大学の夏休みなどで帰省中にも、あるいは子供が小さかったころに実家へ行ったときに子供を連れて遊びにいくときにも、ここへ行くと写真を撮っていた。写真趣味の原点にある撮影スポットなのだ。久しぶりに、そのあたりに行ってみた。いくつか光景が変わっていて、例えば国道の海側にあった作業場みたいな建物がなくなっていたり、でも総じてむかしと同じだった。河口に立つと、今日は川の流れは穏やかに海にそそいで、流れ込む川の水と海の波のせめぎあいも激しくはなかった。こういう穏やかな日もあれば、もっと川の流れが早くて強く、激しく川面を揺さぶっている日もあるはず。
 曇天で、海の色も川の流れの色も、グレーだった。冬の夕暮れ時に西日を受けてあたりがオレンジになり、川の流れだけが濃いブルーに輝いていた、そういうところを30年くらい前のある日に撮った写真を覚えているから、今日の曇天の景色はぱっとしないなあ。どうしても曇天より快晴を望んでしまう。
 写真は河口から西側の砂浜。

 夜、ヘイヘイヘイスペシャルで70年代80年代90年代と区切って、ヒット曲の映像を流すという「懐かしのヒット曲」的番組を見る、というか流れているのを「ながら見」している。こういう番組が増えてきたような気がしていたが、よくよく考えるとこういう番組を喜んで見る年齢になったということなのだろう。
 多くの曲があって、人それぞれの思いが、個別に、同じヒット曲にまとわりついている。音楽の力。