(近江八幡駅近くの交差点)
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昨日から、引き続き、すかすかした乾いた光景が良く思える。近江八幡の町では建築家ヴォーリスのイベントをやっていて、そのコースに従って歩いてみる。洋館街のとある一軒では、そのお宅の外観を眺めていた建築探偵団なのかな男性三人組と私を、家の方が室内に招き入れて下さる。驚き!暖炉の前に置かれたロッキングチェアなど、本当にそういう環境で暮らしていらっしゃる方がいるのだなあ。暮らしだから、当然そこには人それぞれのやるせない思いや、悩みや、苦しみがあるのだろうが、でも、こう言う部屋があれば少しは良い時間が得られるだろうか。
八幡山ロープウェイに乗り、ぼんやりと霞んだ町や遠くの山を眺める。
小物店+ギャラリー+カフェの尾賀商店では、川内倫子のCUI CUIに収録された多分全ての写真、二百点くらいかを、暗室カーテンを引いて暗くした古い木造の土間(?)で、プロジェクターによりスライドショーで連続投影している。一枚3〜4秒くらいだろうか、小気味よい。川内作品の一見流行りのガーリィ風の露出オーバーの淡い、時にピントもはずれた映像の優しさに隠れた、生と死とか輪廻とかいうテーマが、スライドショーという動画に近い見せられ方で痛感できる。なんだかすごく感じ入ってしまい、全駒を見てしまった。
(八幡山)
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(月と六ペンスはビルの二階)
近江八幡15時ころの普通電車に乗り、京都へ。京都駅から地下鉄に乗り烏丸御池。そこから二条×高倉へ行き、古いビルの二階にあるブックカフェ「月と六ペンス」へ。部屋の三辺に沿ってすっとカウンター席が並び、そのまえに本が並べてある。南に面した一番東寄りの席に座る。珈琲を頼む。並んだ本から三木卓の「はるかな町」を読み始める。この本、いつぞや古書店で買ったのだが、読んでいなかった。70ページほど読み進む。子供のころの思い出を綴った本で、センチメンタルに過ぎるかもしれないが、暮れ時の京都のブックカフェで手にするのがそもそもセンチメンタルだから。
- 作者: 三木卓
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1979/06/20
- メディア: 文庫
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夜七時に三条×木屋町で家族のTと待ち合わせ。洋食一養軒に初めて入る。バーカウンターに座る初老の男性二人組、プロ野球のことを熱心に話している。ときどきバーテンダー(兼給仕)の、蝶ネクタイ(だったかしら?)の、これも初老の男が話に加わる。そういう場面ってなんだか開高健がサントリーにいるころにイメージしていた昭和のバーの風景みたいに思えた。料理はゆっくりと時間をおいて出てくる。もちろん美味しい。
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そのあと、Tと二人で特別公開中の青蓮院門跡の青不動を見物に行く。