曇天


 いまは口をつぐみ、ただひたすらに自分の日常を日常として全うすることが重要なのかもしれない。平穏であることのパワーが平穏でなくなってしまっている地域をいち早く包みますように。

 3/14、曇天。遅い午後、散歩に出る。書店を三軒まわるがどこも閉店していた。夕方に入ったカフェでコーヒーを飲みながら、店に置いてあったアンディ・ウォーホルの画集をめくる。カフェを出るときに黒いジャンパーを忘れて出てしまう。信号を渡ったときに気付くと太った店主が全速力で黄色信号を渡ってジャンパーを持ってきてくださり、そのまま赤を戻って行った。ありがとう。
 日常のことを読もうと、ベッドの中で、永井龍男のエッセイ集などを開くが、一ページも読み進まないまま目を閉じて考えごとを始めていて、そのまま寝てしまう。深夜、何度か余震で揺れていることをうつつに感じていた。

HERO (通常盤)

HERO (通常盤)

安易な応援メッセージより、この歌に歌われたような気持ちの連鎖が本当のことなのかもしれないな。