で終了 岬たく写真展 TRAVIS LINE 


 上の写真は写真展「TRAVIS LINE」会場風景。こんな感じでした(これは三枚の写真をつなげているので、本当はこんな「境目」はありません)。上の写真が会場の6.5mの一番長い正面の壁で、ここにはA2の写真を7枚並べました。この面は、両側に色のある写真(左のメタセコイアと右のモニターに映った山)を配置し、あとは比較的シンプルで白い感じを基調に並べてみました。中心にはDMに使った霧の朝の湖の写真を置きました。いままでやったことのないサラサラとした流れを作ってみました。


 これはスタートの「あいさつ文」からのところです。最初の二枚のA2は海に集う人の写真。そこからA3ノビの6枚は少し艶やかな写真を繋ぎました。右のカバーのかかった車と高校生の写真、その右隣のここには写っていない古い馬の写真の接写で色を一度落としてからメタセコイアにつながります。全体としても砂浜で撮った写真が多くて、震災後にその風景が単純な「明るく穏やかな景色」とは見えなくなっていたかと思われます。


 これは正面の壁から右側の壁に移って行くところです。右の壁は、最初に浮遊するようなぼけた人の写真で、その次にニセアカシアの道なのですが、ここのつなぎを疑問視する方が複数いらっしゃいました。うーん、私もここは最後まで迷っていたのですが・・・。
 一方で、この写真にある、中央の壁から右の壁への流れを評価してくださったかたもいらっしゃいました。

 写真は上記のようにあいさつ文から右回りで見ていただくことを前提で並べました。しかし(ここには載せていない駒も含めて)写真に写っている点景の人は、右から左に移動していたり向こうを向いていたりという駒が多く、見る人の動線に写真の中の人の動きが反発してしまうことに気付きました。一つの写真の中の人が、寄り添って、次の写真を案内してはくれずに「すれ違っていく」し「離れていく」。
 タイトルに使ったLINEという単語を選ぶときには、なんとなく「人に流れる時間」みたいなことを意識していました。それで、そうか「人に流れる時間」とは「出会い」もあるけれども一方では「すれ違い」や「離れていく」ことの集積だろう、というふうに考えて、むしろそれでいいのだと納得しました。まあ、そんなことまで気にされる方はいないのでしょうが、写真展を作っていくときには結構こういう細かいことも気を使ってしまいます。無意識であっても「雰囲気」や「印象」を作っている要素ってこういうことなのかもしれないと思います。




4月4日より4月16日まで渋谷のギャラリー・ナダールにて
写真展(個展)TRAVIS LINE を開催致しました。
無事終了致しました。ありがとうございました。

『本展では、日々撮りためた写真からテーマや被写体の解りやすい括りでまとめようとはせず、既に撮影者ではなく鑑賞者となった私が、直感的に「いいな」と感じた写真を選びました。
よくテーマは何か?と聞かれたり、テーマを決めて写真を撮らないといい写真は撮れないと言われますが、そういう括りを設けて写真を分類提示することに違和感を覚えるときがあります。鑑賞者(あるいは展示の企画者)になった私は、撮影者の私より、写真の選択基準において随分と既製価値に縛られているかもしれません。そこで本展では、写真の選択基準をなるべく直感的にすることを意識したわけです。
そして、写真を見ていただくことで、その方の極私的なエピソードを思い出す、あるいは、何かを考えるきっかけになることが出来れば、それが写真の力だと思います。』

岬たく 在廊予定日時(4/11夜現在の予定)
4/4(月)18時ころ-19時 済
4/8(金)18時ころ-19時 済
4/9(土)13時ころ-19時 済
4/12(火)18時ころ-19時 済
4/15(金)18時ころ-19時 済
4/16(土)10時-19時   済