風邪、やっと回復傾向に転じたが、まだまだ鼻はずるずると出るし、声は嗄れたまま。完治までほど遠い感じ。
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ところで、先日、東京都写真美術館で写真新世紀東京展2011を見てきた。佐内正史選の佳作の中にあった吉楽洋平氏の作品「Fireworks*」に、見入ってしまった。夜の浜辺で二人〜数人の人が集まって、いわゆる家庭用の花火セットに入っているような花火をしている写真。真っ暗な夜が占めている領域が多くて、その夜に包まれている花火遊びは、実際のその場所はもちろん花火の音、はしゃぐ声、があるのだろうが、写真は全くの無音に見えてくる。何かを見たときの印象と近いなあ、とずっと考えていたが、私の好きな映画「埋もれ木」の、とくにラストの祭りの場面の、人々が集まっているのに静寂につつまれているような不思議な印象と同じなのだった。もっと夜の浜辺の花火に絞って厳選した枚数でまとまっていたら、さらに良いのではないか?
カメラのポジションが若干俯瞰位置にあったのも良いのだろうか?(って、記憶で書いているのでそうでなかった写真もあったかもしれないのだが・・・)
他の佳作や受賞作品などには、夢に見た光景や記憶になった光景を再現するような試みがいくつかあって、漢字がもたらす勝手な意味「真を写す」に縛られた「写真」という解釈から、あえてそれを避けるような、写真のこころみがあって(実際はむかしからずっとあるのだ)、そういう傾向はここ数年若手作家の中である種、流行なのではないか?ストレートな写真をこねくり回していくような。私はそういうこねくり回した写真も大好きなのだが、上に書いた花火の写真は、きれいなストレートな写真で、そうでありながら、音のあるはずのその場面とは違う静寂を訴えてくるという、そこのところがいいと思うのだ。写真集とかポストカードでもいいから持っていたい写真。
一方で熊田佳南氏の0.00034の子供という作品にも惹かれた。なんか荒削りで乱暴な感じがぐいぐいと来る。
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京都三月書房で六割引きで購入した森山大道「もうひとつの国へ」読了。
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上の写真は宇都宮線車窓から見えた街灯があたっている木の紅葉。
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