今日は雨で


 9日土曜日、雨。写真は数日前の関東平野、新幹線より。
 朝刊にボブ・ウェルチの訃報。その名前を読んだときには、名前は覚えているが、誰だったか忘れていて、記事を読んで、フリートウッド・マックのメンバーだったと書いてあった。
 1977年か78年かにフリートウッド・マックが来日したときに名古屋の、名古屋市公会堂だったかな、ライブに行ったのを思い出した。スティーヴィー・ニックスって、自分がボーカルのときだけステージに出てきて、そうじゃない曲のときにはさっさと引っ込んでしまった(と、記憶している)。その女王様的感じを覚えているなあ。そのころフリートウッド・マックのアルバムはアメリカではずっとチャート一位を走り続けていて、だけど、日本ではそんなでもなかった。そういうバンドってほかにもあったんだろうな、たとえばZZトップとかもそうだったろうか。当時、雑誌に記事を書いていた洋楽の評論家の書いたものを音楽雑誌で読むと、このバンドのことを高評価しているものは少なかったようだ。たしかにLPレコードで聞いた(そうは言っても私は輸入盤をどこかの店で安く買っていたのだった)ときにはとくに印象は残らなかったと思う。ところがライブはそういう私のなかで事前に出来ていた印象を振り払ってあまりのある迫力だった。とくに図太いドラムスの音を覚えている。
 で、ウィキペディアフリートウッド・マックのことを調べてみたら、私が聞きに行ったライブのころにはすでにボブ・ウェルチはバンドから抜けていたようだった。それでも名前を憶えているのはなぜかと、もうちょっと調べたら、同じころにソロの「フレンチキッス」というアルバムが売れていたと書いてある。(いまAKBのメンバー三人で作られたユニットにフレンチ・キッスってあるんだっけか?どうでもいいけど。)
 そういうことまでわかったけど、そんなアルバムがあったことが思い出せずに、ジャケット写真を検索してみてそこで初めて、当時この写真のアルバムがあったことを思い出した。

French Kiss

French Kiss

 フリートウッド・マックはこれが並んでいた。
 知人のブログを読んでいてアメリカの作家レイ・ブラッドベリが亡くなったことを知った。6/5没、91歳、だそうです。
火星年代記」「何かが道をやってくる」「たんぽぽのお酒」、フリートウッド・マックのライブに行ったのと同じ学生時代にずいぶんとたくさんのブラッドベリを読んでいた。短編集「ウは宇宙船のウ」の最初の数編の並び順も含めて気に入っていた。
 と、ここまで書いて、本棚から当時買った文庫本を引っ張り出してきました。創元推理文庫の1977年1月14日14刷。一編目が「「ウ」は宇宙船の略号さ」で続いて「初期の終わり」「霧笛」と続く。いま、ページをめくったら「霧笛」のなかの
「二度と帰らないものをいつも待っている。あるものを、それが自分を愛してくれるよりももっと愛している。ところが、しばらくすると、その愛するものが、たとえなんであろうと、そいつのために二度と自分が傷つかないように、それを滅ぼしてしまいたくなるのだ」
というところに鉛筆で線が引いてあるのを見つけた。なんだか青臭いですねえ、こういうところに線を引いたりして、いやー恥ずかしい。
 その「霧笛」は萩尾望都が漫画にしていたのではなかったかな?だいぶ前にご近所のEさんの本棚にその本を見つけて読んだ。いや、ぱらぱらめくっただけだったかもしれないが。その望都さんは今朝のテレビ番組でインタビューされていてそれを偶然見た。テレビでは「なのはな」という新作を紹介していた。
 朝日新聞朝刊の土曜日に挟まってくるbeの「うたの旅人」でアリスの「遠くで汽笛を聞きながら」が特集されていた。ブラッドベリを読んだりフリートウッド・マックを聞いていたころに、研究室に通う行き帰りにはよくNくんのおんぼろファミリアに乗せてもらっていた。カセットテープに録音されたアリスのその曲が車でよく流れていた。。。んじゃなくて、私がエアチェックしてごちゃごちゃいろんな曲が入ったカセットをN君の車でかけていたのだ。その曲が流れているときに、上り坂の途中にある信号が赤になって、車が止まり、歩道を誰も渡らないままやがて信号が青になって、車がまた動きはじめる、というだけのことを妙にリアルに思い出せる。
 午後にブックオフに行った。シガー・ロスとアズテック・カメラとレッド・ミッチェルのアルバムを買った。帰宅して買ってきたアルバムのアマゾン価格を調べる。こんなことするところがしょうもなく小心というかけちくさい。
 アマゾンでは購入履歴とか調べたもの履歴とかから、おススメ商品を表示してくる。そのなかにクラウド・ナッシングというバンドのアルバムが出てきた。ジャケットにモノクロの桟橋とその先端にある灯台らしい写真、しかも故意に大きくデフォーカスした写真が使われていてその写真に惹かれたこともあり、どんなバンドかな?と聴いてみたくなりYOU TUBEで聴いた。いろんなバンドがあるもんです。最近のロックの分類とか全くわからないけれど、たぶん、若々しいロックであるようでした。なぜこれが薦められたのかな?まさか好きな写真のテイストなんてのは情報として取られてないはずなのだが。
アタック・オン・メモリー

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