植田正治のつくりかた


 東京駅ステーションギャラリーで植田正治生誕100年「植田正治のつくりかた」展をやっていた。神田珈琲園で開催中の須田塾仲間の小島さんの写真展を見たあとに、大手町を通って東京駅まで歩いて行き、ふと横を見たらステーションギャラリーの入り口で、そこで初めてこの展示が開催中であることを知った。それで寄って行った。「童暦」も「小さい伝記」も「砂丘モード」も、多くの展示作品は、いつかどこかで展示を見たことがあったと思うが、何年かに一度、改めて植田正治の写真を見ると、そのたびに見入ってしまう。鑑賞を重ねることにより、自分のなかで植田写真の見方に進化や発展があるかと言えば、そんなことは起きていなくて、また前回同様に、見入っているだけのようなのだった。

 最近はTSUTAYAで借りてDVDで映画を見ている。ときどきそういう流行が自分に発生する期間があるようなのです。フィンランドのアキ・カリウスマキ監督の「過去のない男」を木曜日の夜に見た。途中から、この映画は小津映画を見ているときに覚える「感じ」と酷似していると思った。小津作品のもっとも正統的な後継監督はこの人なのかな。もう十年くらい前の映画だそうです。