自転車を直しに


 自転車を治しに甘沼のサイクルボーイまで、当の自転車に乗って出かける。治すというのはブレーキレバーの操作を目いっぱいまで引いても、しっかりキュッとブレーキが掛からず、ずるずると止まるのを調整してもらうという目的。東海岸から引っ越して、どこに移ったかは知っていたが、実際にその「牛舎」を使った「秘密基地」たる、サイクルボーイの店舗兼作業場に行くのは初めてだった。最後の最後に店を見つけられず、急坂を登るという無駄な行動をしてしまい汗をかきながら、結局店主の谷さんに電話をして、近くのお寺の前まで迎えに来てもらった。
 作業場は東海岸にあったときの軽く五倍かもっとか、すごく広くなり、そのあちらこちらに自転車のパーツや完成車が置いてあり、もちろん工具類やらもあって、こういうスペースは理科系の男の子からすると、いや、文系の女の子も同じかもしれないが、わくわくする。まさに「秘密基地」たるわくわく感だった。

 ブレーキ調整をしてもらった私の自転車。砲丸形ライトとハンドルが錆びてきている。