十五番


 先日、二週間か三週間くらいまえの土曜か日曜に、東京都現代美術館で開催中の「他人の時間」展に行った。その出展作品の中で、ミヤギフトシという方の動画「「American Boyfriend: The Ocean View Resort」」という20分くらいの作品が素晴らしく、別の平日の午前に、半休を取得してもう一回見に行った。語られる短いストーリィのなかに、ベートーベン作曲の弦楽四重奏曲十五番が重要な役割で使われている。そんなことがあって、今日、都内で四つばかり写真展を梯子して、もうひとつサントリー美術館で「若冲と蕪村」展も見て、その最後に新宿のタワレコに寄ってその曲の収録されたCDを買ってみた。クラシックのCDを買うことなんていつ以来なのか、十年振りくらい?

ところで 最近ムッとすることと言えば電車の遅延の多発。3月のJR東日本の目玉のダイヤ改正東海道線横須賀線宇都宮線高崎線の相互乗り入れを、従来の渋谷や新宿を経由する湘南新宿ラインだけでなく、東京や上野を経由する上野東京ラインとしても実施することだった。多分、都内を挟んで神奈川県側から埼玉や千葉まで相互乗り入れしている私鉄や地下鉄に対抗して、より長距離を乗り換えずに行き来できる便利を打ち出そうと言うのだろう。まあ、競争力強化策としては真っ当な案なのだ。しかし、一つの電車が走行する距離を長くすると、確率的に、踏み切りの人立ち入りだとか、人身事故だとか、車両故障、強風、その他の様々な原因によりダイヤ乱れが発生したときの波及範囲や波及本数が大きくなるのは素人目にも明らかで、ダイヤが改正される前から、そうなることは私の家族のなかでも「しょっちゅう止まりそうでヤバイよね」と話していたくらいだ。だって、それまでも、東海道線の列車遅延よりも、総距離の長い湘南新宿ラインでの遅延発生の数が明らかに多かったから誰だってそう思うだろう。家族の某なんか列車遅延か起きるとメールでスマホにお知らせが来るように設定してあり、その着信音を分けているから、最近は遅れの着信音が聞こえても「また遅れてるう」と言うだけでいちいちメールを読むこともしなくなった。
上野東京ライン開通に合わせて、高架範囲の拡張や、ホームドアの設置駅の拡大や、保安体制の強化や、何らかの施策を合わせて実行したのだろうか?世界に誇る精密ダイヤの国鉄も民営化で優先すべき基本サービスをおろそかにして目先の美味しそうな策を選んでしまった、そんな感じ。
それともこんなのは私の感じているのが間違いで、遅延発生数(遅延を起こしたイレギュラーの発生数ではなくて、ダイヤ通りに運転できなかった本数ですよ!)は変わっていないのかな?Yahooで、上野東京ライン×すぐ遅れる、で検索したら記事がぞろぞろ出てくるから私の感じもそう間違ってはいないのではないか?例えば小田原で踏切人立ち入りがあったら高崎で電車が止まるって、なーんか変。風が吹くと桶屋がもうかる式なのだ。
ま、どーでもいいけど。今日も遅れてた。