善光寺参り


 五連休のあいだにどこかに一泊旅行をしようと、ふた月くらい前だろうか家族の某と相談し、はじめて長野市へ行ってみることにしていた。善光寺参りをしておやきや蕎麦を食べる。二日目は小布施に行って岩松院にある北斎が書いた天井の八方睨みの鳳凰の絵や、北斎館を見物する。それが一般的なところだろう。プラスして、ここ数年、BRUTUSなどの雑誌が「本屋」や「読書」を特集する号によく取り上げられている遊歴書房にも行ってみたい。閉館が決まっているらしい長野県信濃美術館では風景画の企画展をやっている。そんなのが長野に行ってみようと思い立った理由だった。
 さらに直前になって調べると、長野松竹座/ロキシー1.2と言う古い映画館が営業を続けていることも知る。
 実際に行ってみると、快晴で気持ちのよい日だったこともあるだろうが実にいい町に思えた。善光寺はすごい人手。途中おやきをひとつ買い食い。びっくりしたのは長野電鉄で、まだ改札が自動化されていない。長野駅では電車が着くと、駅員が出てきて券を受け取る。1990年代前半まではまだまだそういう駅ばかりだったな。自動改札に変わってしまうとそれまで何十年も駅員に手渡すする改札口を通過していたのに、なんだかもうすぐにそんなだったことを忘れてしまっている。だから駅員さんが立っているのを見て、あーそうだったそうだった、と思うのだ。
 遊歴書房はずっと高くまで埋められた書棚の本を梯子に上って取るようにできている。梯子に上らなかったが、いまとなると上ってみればよかったと思う。また違う季節に、今度はじっくりと本を見てみたいものです。
 下の写真はカフェのナノグラフィカで。通りすがりに見つけて入ってみた。居心地のよい店でした。あ、写っているのはお酒ではなくて水です。ガラスのコップに入っている水。