101枚の写真


 山梨県立美術館に「日本の写真史を飾った101人」展を見に行く。茅ヶ崎から自家用車で、1時間50分で到着。高速道路網の恩恵。一人目フェリーチェ・ベアトからはじまり、上野彦馬、下岡蓮杖と続いていく。木村伊兵衛は37番目で秋田おばこの写真が選ばれていた。アラーキーは39番目でセンチメンタルな旅の柳川の用水路巡りの船で体を丸めて眠る陽子さんの写真だった。ほとんどが見たことのある、知っている写真だけれど、あらためてじっくりと見ていくとまったく飽きない。深瀬昌久の樹に群れて目が光っている鴉の写真、石内都横須賀ストーリーの後ろ姿のカップルのいる街角の写真、土田ヒロミの俗神(愛知一色黒沢)の飲んだくれのおじさんおばさんの怪しい雰囲気などにがつんとやられる。カラー写真はそういう「がつん」は弱いのかな。でもあまり普段は興味のない絶景風景写真だが、前田真三のあの有名な美瑛の写真(麦秋鮮烈)は近くで見るとすごい色の諧調と解像度で、すごい写真だなぁと思った。

 見終わったあとに駐車場(ナビに従ってきたので第三駐車場というところに停めた)まで戻る途中、美術館通りの家々を写真に撮っていく。上の写真や下の写真。
 美術館の目の前には三光カメラという中古カメラ店があったが、そのときには行ってみようとは思わなかった。写真に写っているタクシー会社の横の路地から奥に入って行って、そのあたりを散歩するという気も起きなかった。
 帰宅してからこれらの写真を見直しながら、いくら猛暑だったとはいえ、もうちょっと歩き回る気合が必要だなと反省した次第。美術館の前にはほうとうの小作の美術館前店によって、ノンアルビールと甲府鳥もつ煮、鳥ほうとう、以上を食べて帰る。帰りは2時間10分かかった。

 帰宅後レンタルDVDで日本映画「アズミハルコは行方不明」を見る。昨年原作を読んでとてもよかった。とてもよかったと思った小説が映画化されてもさらに「とてもよかった」を越えることは難しいです。わるくないけれど。