春めいた日と鴨南蛮そば

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  横浜駅にちょとした用事、野暮用と言うのかな、があり、出掛ける。京急線改札近くの某所で正午頃に用事が終わったので、スマホでネット検索をしてみたら、雑色駅から徒歩5分くらいの住宅や小さな工場のある大田区らしい街角にご主人一人ですべてを切り盛りしている評判の蕎麦屋があることを知る。そこで京急線の改札を入り上り電車に乗って、雑色駅に。今日はずいぶん暖かい。二日前の金曜日、三日前の木曜日、は極寒だったのが嘘のようだ。ユニクロの裏フリース暖パンを履いて、電車に乗っていると、シートが温まっている場合は汗をかいてしまう。

 蕎麦屋の外観は下の写真です。午後1時ころ。客は私一人。ピアノトリオの演奏するスタンダードが小さな音で流れている。カウンターは余裕を持って三席。厨房が見えるがそこに朱色の暖簾がかかっている。暖簾は客の目から厨房で料理をする主人の顔や様子が直接見えない(目が合わない)工夫のようだった。一方、主人から客の顔を見えないが、客の手元、すなわち食事の進み具合は見える。そこで、食後の蕎麦湯が絶秒なタイミングで出てくるのだった。蕎麦好きであればせいろを注文するのかもしれないが、特別、蕎麦にうるさいわけでもない。暖かい日とは言え、まだまだ温かい蕎麦を食べたいもの。そこで鴨南蛮蕎を選んだ。蕎麦はもっちりとしていてコクに富む。ネギは肉厚で甘い。鴨肉は鴨らしい臭みが絶妙。お好みでどうぞ、と出された山椒を鴨に振りかける。窓辺に置かれた案内紙に「5名以上で貸し切り可能、要相談」と書いてある。貸し切りにして、板わさや玉子焼きを食べながら、飲めない日本酒を、おちょこに半分づつでもちょっとだけ分けてもらって飲みながら(すなわち残り4名は飲める人たちという前提)、ゆっくり過ごすのもいいだろうな。蒲田からタクシーで来れば「行きにくさ」もなんとかなるかな?などと考えている。

 蕎麦を食べたあと、蒲田まで歩いてみる。思ったより近い。蒲田駅近くの公園にはただ動かずそこに立ってスマホを操作している人が大勢いる。上の写真。えっと?なに?例の、ポケモンGOってやつなのかな?ポケモンGOが話題になったのは2016年だったと思うが、その後どうなったのかわからない。ちゃんと「固定客」がいて、なにかが「起きる」と、いや彼らにとっては「なにかが入れ食いになる」「なにかが現れる」って感じなのかしら、固定客の方々がこうして公園に集まってくるのだろうか?海外でもこういう場面に出くわすことがあるのかな。人は大勢いる。みな立っていて、あまり移動しない。スマホをいじっている。基本的に一人でいて話さない。ゲームのなかでいろいろな「進展」が起きているのだろうに、感情や表情が変わることもない。

 蒲田から川崎乗り換えで茅ヶ崎に戻る。BOOK・FFに寄ったら、セール中だったのかな、なにがどう割り引かれていたのか無頓着だったので詳細不明だが、いつもより客が多い。

 学生のころに読んだロバート・A・ハインラインの「夏への扉」が最近知人のあいだの雑談のときに話題になった。それもあり、物語の詳細を覚えていないので読み直してみようと思って本棚を探したが、いつのまにか処分してしまったらしく見当たらない。BOOK・OFFには、したがって「夏への扉」を買いに行ったのだが、よくある「古本屋の常識」のとおり、本を決めて探しに行くと見つからないものです。そのくせ、五冊も古本を買ってしまう。そのうえで、今度は近くの新刊書店にも寄り「夏への扉」も買ってしまう。

 夕方、早目の夕食を食べる際、いまオーブントースターから出してきたばかりの熱い皿を、ぼーっとしていてついつい右手で持ち上げてしまう。あわてて下したが、右手の親指、人差し指、中指、薬指、の指先が熱い。慌てて氷水で冷やした。どうやら水ぶくれなど出来ずに済みそうな感じ。

 すっかり春めいてきました。

 

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