夜も更けてから黄金桃を撮る

 数日前、山梨県北杜市清春芸術村に行ってみました。安藤忠雄の光の美術館ほか、有名建築家の手になる建物が点在しているアートコロニーで、1981年に開館。アーティストが滞在しながら作品制作が可能なラリューシェという建物は、パリ万博のときになにかの展示館として建てられたあとに、有名な芸術家を輩出てきた。その建物を、図面通りに再現して建てられています。その一室は資料室になっていて、この芸術村にかかわった人たちがここを訪れたときのスナップ写真や記念写真がプリントの色あせるのに任せたまま、たくさん展示してありありました。岡本太郎井伏鱒二・・・鬼籍に入られた方の写真もありました。谷川俊太郎のこの芸術村の詩も掲示してありました。・・・ここでは昔ながらの土地の精霊が 今どきの子どもたちと風になって戯れている・・・(詩の一節)

 わたしよりもさらに十歳かもっと年上と思われる男性の方が一人、とても熱心に建物や資料展示を見学をしていらっしゃいました。勝手な想像ですが、現役時代には建築のお仕事をされていたのもしれないな、と思いました。平日で客も少なく、敷地内で出会う人も、カップルが三組に女性二人連れと家族三人にこの男性とわたし、というように覚えてしまう。そしてそのうちの半分くらいの客は、上記のご年配の一人客も、徒歩で数分のところにある有名な信州蕎麦のお店に立ち寄っている。わたしもしかり、でした。どうもこれは私の癖というのか・・・夏に高原で蕎麦を食べに森に囲まれた店に行き着くと、そういうことが過去三回か四回あったのですが、茸蕎麦を選んでしまいます(笑)この日も茸蕎麦をいただきました。茸は山椒の粒と一緒に煮られて冷やされ、蕎麦の出汁に入れてありました。山椒がぴりりと舌にしみます。朝にはきっとたくさん鳥の声が聞こえるのでしょうね、でも昼の時刻だって、カラ類とおぼしき小鳥が鳴き交わしながら通り過ぎていくのが聞こえました。

 欲張らずに芸術村と蕎麦屋だけで午後1時には帰路につきます、中央高速が渋滞しなければ自宅まで約2時間の路程です。高速に乗る前に野菜果物直売所に立ち寄ってこの黄金桃を買いました・・・というか、買うときは黄色いきれいな桃だなあ、と思っただけで、帰宅してからそれが黄金桃だとわかりました。夜も更けてから、ちょっと桃の写真を撮りたくなり、LEDランタンとか読書灯の位置をあれこれ変えながら、マクロレンズで写真を撮りました。