水色の窓

 今日も古い写真を見直す。8年前の9月に撮られた写真。水色の窓がきれいだったから撮ったのだろう。写真を見てもそのときのことを思い出すことが出来ない。でも写真を見て、撮ろうと思った気持ちがわかる。するとそのときの自分と今の自分が一続きの同じ人間ではなく、とても共感できる仲間のように思えるのだった。

 朝、4:30頃に目が覚めた。枕元に転がしておいた点眼薬を右目に落としてからそっと目を開く。読者になっているほかの方のブログにユーミンの二枚目のアルバム「ミスリム」の最初の曲「生まれた街で」のことが書いてある。ベッドに横になったまま、YOUTUBEでその曲を探し、若いユーミンがライブでその曲を歌う動画を観る。あぁ、そうか、このメロディーだったか!私が生まれた街は京都府舞鶴市だが、二歳の頃に引っ越したためなにも記憶がないな。動画は「あの日に帰りたい」に変わり、細野晴臣がギターでボサノバ調の伴奏を弾いている場面が映る。動画が終わりベッドから起き上がり、うがいをしてから水をごくごく飲んだ。

 会社の男子トイレの屋根の送風口の中からカネタタキの声が聴こえる。チチチ、チチ。午前にも午後にも夕方にも聞こえていた。カネタタキは小さなコオロギだ。たまたま居合わせた同僚に「カネタタキが聴こえる」と言ったが、彼はカネタタキが虫の名前だと知らなかったようで話が噛み合わない。

 手を洗い、そのまま自販機コーナーへ行って紙コップの珈琲を買う。最近、100円から110円に変わった。コーヒーを持って自分の席に戻り、少し前に買ってあったがまだ食べていなかった「すっぱムーチョ・梅味」を食べながらコーヒーを飲む。ブラックコーヒー。少しだけ食べて、封を切ったところを折り曲げて、クリップで留めたが、またすぐ食べたくなった。小ぶりの袋だったが結局ぜんぶ食べてしまう。

 金曜日の勤務が終わる。オーバーザサンを聴きながら帰宅のために車を運転する。すると西の空に大きな三日月が見えた。スーパームーンとか言って、大きな満月がニュースになることがあるけれど、三日月がとても大きく見えたことなどあっただろうか?