キラキラの みなとみらい

 仕事で横浜のみなとみらい地区に出かけた。待ち合わせ時刻より二時間も早く到着し、オーシャンゲートビル二階のスターバックスでソーセージのフィローネを食べながら、窓越しに、パシフィコ横浜展示場の、角のように突起が生えて見える屋根や、その右奥の国大ホールの建物の、身を屈めてこちらを伺い、なにかの拍子には襲い掛かってくるトリケラトプスのような形を眺めていた。国大ホールの右隣のインターコンチネンタルホテルや展示場の左奥の、スターバックスからは見えないカハラホテル&リゾートも、横浜の海に面した「みなとみらい」の建物らしく、曲線や曲面が多用されている。みなとみらいらしくと言うのは、風や波や鴎、あるいは船や帆、といった海に近いイメージを建物に限らずデザインのコンセプトに置いていることが多いらしい、そういう説明を何度か聞いたか読んだように思うからだ。ひとつひとつの建物を見ると、そういう工夫や面白いかたちに惹かれて楽しいが、街区を見回すと、ちょっとテーマパークのようで落ち着きがないように思うところもある。新しい街区が一世代目のぴかぴかのビルで作られて来たばかりなのだから、そういうものなんだろう。

 フィローネを食べ終わり、マグカップの半分ほど飲み進んだティーラテカモミールを飲む。思ったより冷めてしまった。以前、私の姪が高校生だった頃にスターバックスでバイトをしていた。彼女の当時のお勧めは、ティーラテほうじ茶だった。彼女は珈琲が嫌いだったから、そんなお勧めは彼女の個人的好みに過ぎない。だけど、スターバックスでバイトしている彼女が言うのだから、きっとそれが一番美味しいんだろう、という勘違いをしてしまい、そしてそれは確かに美味しいから、もうずっとティーラテを頼む頻度が高いままだ。最初に洗脳されてしまった感じ。数年前の夏にあったクールミントが好きだったが、翌年の夏にそのメニューは出なかった。あるいは数年前から夏になるとナイトロという店舗限定で飲めるアイスコーヒーが気に入っていたが、これも昨年で終売になったそうだ。ナイトロは自宅の最寄店舗で飲むことが出来たので毎夏の楽しみだったのだが。最近のスターバックスの新しいメニューは、ギューニューやコーラなど、ちょっと今までと違うんじゃないか、と思う。クールミントやナイトロがなくなり、それに代わる、私に刺さるメニューが出てこない。

 腕時計を見る。待ち合わせ時刻まではまだ30分もある。では少しみなとみらい地区を歩いてみようと思う。そして撮ったうちの一枚が上の写真。一番奥にザ・カハラ・ホテル&リゾート、白い建物がパシフィコ横浜ノース、手前の左から奥に長く伸びているのはパシフィコ横浜展示場。どこもかしこもキラキラ光っている。梅雨入り直前の快晴の平日。