相鉄線と帷子川

 奥にあるふたつの建物はJR東日本横浜支社(奥)と横浜総合事務所(右)。右側のビルは60~70年代の雰囲気を感じたが2018年築とのこと。株式会社JR東日本建築設計の解説には「自然エネルギーを活用した高効率な事務所ビル」と解説してある。ビルに面した線路はJRの線路だが、JRの線路の更に川の側、すなわち写真の紺色の電車の走る線路は、私鉄の相模鉄道。この左側に終点の横浜駅。新しく手に入れた28mmのパンケーキレンズでしばらく電車を待っていたので、鉄っちゃん気分になりました。相鉄線は、横浜駅を通らずに東急線やJR線と乗り入れる路線がここ数年のあいだに整備された。たぶんそのせいなんだろうな、なかなか電車が来ない。むかしほど頻繁に来ない感じ。そして、この場所でカメラを持って電車を待っている人なんてほかに誰もいなかった。

 写真の反対側、すなわちこの写真を撮る私の背中側は、飲食店やパチンコ店や映画館のある歓楽街になっている。この歓楽街は媚びがないというのか、殺風景を容認しているというのか、着飾らずにいて甘えないというのか、むかしの雰囲気のまんまにそこにある。一見優しくはないが、心の奥は優しい。最初は突き放してくるが、実はシャイなだけで気にかけてくれている。人を信じて損して来たいい女・・・あ、男でもいいけど・・・そんな感じがします。この町に出て行くなら、7:3で北に向かうだろう、だってそれが似合うじゃないか・・・という雰囲気。むかしね、70年代、宇崎竜童とダウンタウンブギウギバンドが「港のヨーコ、ヨコハマ、ヨコスカ」って曲でヒットを飛ばした。あの歌に歌われた、ちょっと前までこの町にいた、長い髪をして子猫を飼って借金を踏み倒して逃げたヨーコ、彼女のいたヨコハマは、野毛や本牧かもしれないが、この横浜駅のあたりも歌の物語に似合いそうだ。

 明るい曇り空が照らすフラットな光線の中にある町も、媚びていないこういう風景にはぴったりかもしれない。

 悪いな、ほかをあたってくれ・・・港のヨーコ、ヨコハマ、ヨコスカ~・・・