美味しい珈琲

 すこし前の週末に二宮のパン屋さん併設のカフェで開催していた写真展を観に行った。開店より早く二宮駅に着いたので、駅の周りを一回りしながらフイルムカメラで写真を撮った。梅雨の合間の快晴の日で、きらきらした朝日がさしていて、駐車場とシャッターを下ろしたままの店が増えてしまった町だけれど、どこか余裕がありゆったりとした時間が流れているのは、以前からの二宮らしい。開店前の珈琲の店が開店準備に忙しそう(上の写真)。隣の定食の店はまだまだ眠ったままだ。向かいの洋装店はもう開いている。

 写真展のあとに駅に近い国道沿いの喫茶店に寄った(寄ったのは写真の店ではありません)。この喫茶店孤独のグルメに出てきたこともある店。私が入ったときは客はほかにいなかった。レトロ喫茶に敬意を表してスパゲッティ・ナポリタンを食べ、食後にモカを飲んだ。壁に月曜から金曜に振り分けられたちょっとその曜日だけ安価に飲める珈琲の産地が書いてある。その日にその豆種の豆を挽く(もしくは焙煎する)から、フレッシュなうちに消費しようという昔からある作戦だと思う。そしてその日の曜日がモカだった。店はウッディなログハウス風で、ずっとジャズが小音量で流れていたが、もっと大音量で流してほしいなどとわがままを思った。やがてグループの客が入ってきて、席が埋まって行った。ナポリタンは平均的なレトロ喫茶のナポリタンよりも細い麺に思えた。味がよく絡んで美味しかった。そして、なによりも、サイフォンで入れてくれる珈琲が美味しくて驚いた。なんとなく老夫婦が定食も出しながらやっている古い昭和な感じの喫茶店では苦いだけの昭和の珈琲が出て来るんだろうと決めつけていたので、申し訳ない、驚きました。こういう小さな驚きと喜びがたまにあるといい。

 流れていたジャズというはマイルスの60年代の頃を彷彿とさせるクインテットセクステットのモード風のジャズだった。同じジャズでも種類は離れているけれど、最近、アマゾンで買ったCDは鬼怒無月佐藤大介のThe DUOの2010年のアルバム。夜に自室で例えばこのブログの文章を書きながら流しています。静かな夜に。一曲目は「四月の思い出」で好きな曲です。