続 南関東のサンルームのようだった縁側

 炭酸飲料が吹きこぼれるように、逆光の場面にオールドレンズを向けると、コーティングされていないレンズの表面から反射した迷光が鏡銅の中を、ビリヤードの玉のように飛び回り、それが白い光となって画面に降り注ぐ、そういうイメージではなはだしいフレアが起きる。上の写真はそんな画像データからこれでもトーンカーヴを調整して、少し補正したものです。

 だけど昨日のブログにも書いたけれど、南に向くと、冬の低い南中の太陽が眩しく温かい南関東の光景の、そのものの光景ではなく、心に浮かぶその季節の光景は、こういうふうに眩しく、白い光が飛び回るもの。わたしは自分の右の掌を庇にして目の上に置き、逆光の冬を眺めてきた。

 写真は箱根板橋駅なので、私の住んでいた平塚市とは違うのですが、でもこの逆光を見て、そんな冬を思い出しました。

 南に面した冬の光がサンルームのようになっていた縁側でひとりで遊んでいたことをいくつか覚えています。父が使っていたオリンパス35Sというカメラがガタが来て壊れてしまい、玩具として私のものとなった。縁側でこのカメラを治せないかな?とドライバーというか当時の言い方でネジ回しを使って、ばらしていった。最後はピント合わせのダブルヘリコイドを解体して、もう二度と元に戻せなくなりました。そんなのが12歳頃?それより小さいときにも、小さな本棚が縁側にあったこともあり、サンルームのような縁側でヴェルヌ全集を読んだ。岩波少年文庫の動物会議という本は物語はなぜかうまく読めなかったけれど、その絵が大好きでしょっちゅう開いていた。ファーブル昆虫記も買ってもらった。動物会議の原作はケストナー