暮れ時の茅ヶ崎南口あたり


 一昨日の日曜日、午後五時過ぎにこの肉屋さんの前を歩いたときにはちょうど西日が店先に射していて、きれいだった。そこで通りすがりに写真を撮ったのだが、シャッター速度1/60秒だったにもかかわらず手振れしていた。今日、会社帰りにリベンジとして同じ道に行ってみたが、もう六時を過ぎていて、一昨日と同じ光景ではなかった。しかし、こうして暮れ時に店先の明かりが、目立つようになってくるとこれはこれで人恋しい。いつのまにか日が長くなった。そういえば何年もまえに松山に行ったとき、同じような暮れ時の町に路面電車が走っていく、その電車の箱の中の車内灯が暖かく、同じように人恋しく思ったものだった。
 この肉屋さんと同じ名前の焼肉屋が近くにあって、そこは六時過ぎでもうずいぶん混んでいるようだった。こんど行ってみようかな。


 その焼肉屋さんの近くにはよく行く古書店がある。ここで買った本、一番最近は村松友視著「七人のトーゴー」かな。大抵は店外のワゴンから100円くらいの文庫本を拾い出す。店内では、もう十年以上も前だろうか、田中小実昌著「みなと港」なんかを見つけて、やった!って感じで買ったこともあった。古書店で欲しかった本に不意に出会うと、それって子供のころ普通は見付からないカブトムシ見つけた瞬間の驚きに近いな。
 このほづみ書店は、数年前まで駅の反対側にももう一店、小さな姉妹店があったがいまはなくなってしまった。神社の前にあった小さな古い古書店は、なかなか風情のある佇まいだったのだが。なくなってしまった方のほづみ書店では藤沢周平なんかを買った記憶があるな。以前、時代小説ばかり読んでいたことがあったのです。
 古書店の奥にひっそりとある「一人分」のスペースに店番のおばさんとかがちんまりと収まっていて、必ずAMラジオが流れていた。いや、そういう記憶を創作しただけなのかも。


 土曜日曜にこのカイト屋さんの前を通っても、いつもやっていないのだが、平日にはこうしてオープンしているのだな。私はカイトなんかやらないけれど、たしかに海に行くと、ときどきこういうカイトで遊んでいる人を見かける。ビートルズビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイトってどういう意味の詩なのかな?というわけで少し調べてみたら、これはサーカスの始まるまえの口上のような歌詞なんだな。