横浜


 午後は、いつのまにか、もう6時ころまで明るい。
 5時ころに横浜大桟橋あたりを歩く。大桟橋がこんな風にきれいになっているなんて全然知らなかった。駐車場や出入国審査窓口やレストランや劇場がある建物の屋上はずっとボードの広場になっていて、一番先端まで行くと横浜港が見渡せる。昼下がりから曇ってしまったのでこんなフラットな調子だったし、仕事のあとに寄ったのでスーツとコートを着て革靴を引きずるような(ちょっと大きいのです)感じでとぼとぼと回ってきたのだが、晴れていたら気持ちがいいだろうなあ。
 そのあと、中華街の方を目指して更に歩く。足が痛くなってくる。上の写真は中華街近くのオフィス街にて。
 しかし、横浜の港湾のあたりに二十年か十五年かくらいまでは見られた、倉庫街とか、桟橋のいろんな重機とか、桟橋のコンクリートの隙間の雑草とか、錆びた線路とか、貨車とか、そういうYOKOHAMA BAY BLUES って感じの風景がすっかりなくなってしまった。
 会社の横浜育ちのAさんが、もう二十年くらいかもっと前だったろうか、工事が進むみなとみらい地区を、国鉄(いや、さすがにもうJRだったか?)の高架を走る電車の中からながめつつ、
「横浜の人間としてはこんな風に開発してもらいたくないって気持ちなんだよね」
と言っていたことを思い出す。

 大桟橋の上では何やら撮影が行なわれていた。

 港です。