十月になりました。十月になるとブラッドベリに「十月は黄昏の国」という短編集があることを思い出す。
- 作者: レイ・ブラッドベリ,宇野利泰
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1965/12/24
- メディア: 文庫
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帰り道に黄昏。わずかに紺色が残る空を背景にした住宅地の屋根が作るぎざぎざ模様を見上げながら家へと歩いているときに、屋根の上のアンテナが、当然だけれどいつのまにかほとんど全部デジタル対応の、魚の骨のようなアンテナになっていることにあらためて気が付く。それで、デジタル化移行が始まるほんの五年か十年か前には、VHF対応のアンテナばかりで、アンテナのシルエットもこんな形じゃなかったんだな、と思った。そのVHF対応のアナログの1番から12番でテレビが映る、5とか7とかは使われていない、そういうころのアンテナはいまのアンテナとは違った形だったということだけははっきりと覚えている。しかし、ではどんな形だったか?と考えると、なんとその形を思い浮かべることが出来ないのだった。パンタグラフみたいな菱形だったわけないし、漢字の王って字みたいだっけかな?でも自信がないな。
だから帰宅して、ネットで調べてしまった。いざ、そのころのアンテナの画像を見たら、懐かしいもなにもない当たり前にこれじゃないの、と思うのだった。(むかしのアンテナも魚の骨と言えば魚の骨なのだった)
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信号なんかも、五年かそこら前にLEDに変わって、例えば歩行者の青(緑)信号は、青(緑)バックに人の歩くシルエットが白というか明るいベージュというかそういう色合いだったのが、いまはシルエットの方が青(緑)になった。最初に新しい信号を見たときだけはちょっとびっくりしたけど、今ではそればかりになって、以前の信号はもうすぐにきっと忘れてしまいそうだ。
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東京都写真美術館のオノデラユキ展は、先週で終了してしまい、行かなかったが、今日川崎ラゾーナの本屋にその展覧会に合わせて出た図録があったので立ち読みしてきた。最新作の物撮りだけはどうもあんまり好きになれないのだが(私の鑑賞能力の問題ってことでしょう・・・)、他のシリーズはさすがに面白い。家から光が漏れていて、その中にだけ家族のつくる幸せがあって、だけど旅人はそこには属せない、そんな風に思える家のシリーズは何かをはらみつつも暖かい。
行けばよかったなあ・・・後悔。
- 作者: オノデラユキ,東京都写真美術館
- 出版社/メーカー: 淡交社
- 発売日: 2010/08/05
- メディア: 大型本
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