寒くなる


 ちょっとだけ窓を開けて寝ていたら朝方はずいぶんと寒くて夏掛けのままの布団にくるまっていました。
 夜のあいだずっと雨が降っていました。雨は昼前まで続いていました。
 雨が上がってから、鎌倉にでかけました。新しく出来たベトナム料理の店は、はやりの(?)いわゆる古民家を使った店で、そこで揚げ魚の甘酢あんかけの定食を食べてからベトナムコーヒーを飲みました。五年くらいまえにベトナムに行った知人からベトナムコーヒーを作るのアルミ製の小さな道具をもらったけれど、使い方がよくわからないままずっと自室の、本棚の横あたりにおいてあるのを思い出した。Hさん、ごめん、今度使ってみよう。
 大きな古民家でベトナム料理店以外の部屋はギャラリースペースとして貸していくそうです。その部屋を見ましたが、人が住んでいた痕跡が白いカーテンや縁側のローテーブルと椅子に残っていて、まだ新しい使い方がはじまらない今は、宙に浮いているような家の記憶でした。
http://hoian.sakura.ne.jp/index.html

 食事のあとに妙本寺近くのギャラリーと大町会館の二か所で開催されていた鎌倉ブックフェスタに行きました。エクリ社http://www.e-ecrit.com/news/が出店していました。ロベール・クートラス作品集『僕の夜 Mes Nuits』の本は昨年、松本市の「工芸の五月」のイベントでたまたま立ち寄ったカフェ&ギャラリーでクートラスの個展に行き当り、そのときに購入しました。「影追いの街」の本は京都の恵文社で立ち読みしたあとに気になっていて、後日に購入しました。文は竹谷内桜子、挿画は上田風子による本です。竹谷内桜子の短い文は架空の影追いの街の点描です。そこにはファンタジーの種のような意表を突かれる楽しさがありました。高知県立牧野植物園「樹と言葉 展」記念書籍『樹と言葉』は京都のエレファントファクトリーで、深夜に濃いコーヒーを飲みながら読みました。いしいしんじの文章が面白かったということをかすかに覚えていますが、具体的内容は覚えていません。
 というふうに私の本棚には二冊のエクリ社の本があります。鎌倉ブックフェスタの会場では、静かなたたずまいのエクリ社の方(ご家族なんですが)がいらっしゃって、本と作り手がイコールで結ばれている感じを受けました。

 そのあとはヴァカンスに寄って、パパイアとなんとか言う野菜(果物?)のサラダを食べました。なんとかはカタカナの「コ」からはじまった気がします。

 上の写真は昨晩の横浜大桟橋。