葉山の海岸


 昨日「海辺の本市」会場でTakeFreeの「第21回葉山芸術祭」のマップをもらった。今朝、起床してまだベッドの中に寝転がったまま、そのマップを眺めていたら、葉山のあたりの山と海に挟まれた小さな磯浜や砂浜をカメラを持って散歩をしたくなった。これは帰宅してから調べたのだが、昨日まで大潮で、今日は中潮という日だそうだが、干潮の時刻は神奈川県では13時過ぎだったらしく、ちょうど12時くらいから15時くらいまでのあいだ、葉山町の立石海岸から海沿いに北上して森戸まで歩いていたことになる。どうりでいつもよりずっと波が引いていて、例えば森戸神社の裏に通じる防波堤沿いの小路なんか、普段は防波堤の下にある人が一人通れるくらいの幅のコンクリートの路なのだが、今日はその下の小石の浜も歩くことができた。磯浜にはたくさん潮だまりが出来ていて、覗き込んでじっと見ていて、あるときふと気づくと(テレビの視覚クイズで徐々に変化している部分にふと気づくと当たり前に動いているように)あちこちに小指の先のその半分とか三分の一くらいの小魚やカニやヤドカリやイソギンジャクが動いている。子供たちが「大きい!」と何かを見つけて叫んでいる。それを聞いてひょいとその潮だまりをのぞいてみると、取り残された大きなフグのような魚がひれを小刻みに動かしている。ウニを取っている人もいる。海水の中にある小石は美しい。拾って乾いてしまうと少し色あせる。それでもいくつかポケットに入れてみる。大きなウミウシの黒い背中には星座のように白い斑点があった。

 画面の中に人がばらばらと散らばって配置され、それぞれが特別ではない姿で写っている、そういう場面を標準の画角で撮りたい。当たり前を撮りたい。でも画面の隅々まで「当たり前だらけ」というのも意外に難しいのです。