サルスベリ


 夜、近くの蕎麦屋から出前を取る。母は「鍋焼きうどん」、私は「日本五目うどん」。日本が何を意味するのか判らないが、うどんの上に載っていたのは、卵焼き、かまぼこ、しいたけ、ほうれんそう・・・にんじんもあったかな。ありふれていた。濃い汁が美味しい。箸を付けてから、箸を付ける前にこのうどんの写真を撮っておけば良かったな、とちょっとだけ思った。母は二本入っていた海老の天ぷらの一つを、食べきれないからと言って、私にくれた。
 食べ終えてから、牛乳1000mlを買いに出る。この海辺の町には今日も夜風が吹き抜けている。タンメンの「ラオシャン」には列ができている。あの酸っぱいスープのわかめ入りタンメンを食べたくなるが、食べずに行き過ぎる。十年くらいまえによく行っていたカフェは今もやっているのか?同じような店構えではあるが、十年前にはなかったのだが、カウンターにずらりとアルコール類のボトルが並んでいるのが見える。同じ店なのか違う店になったのか、はっきりわからないが、歩を止めることはせずに行き過ぎた。そのくせ満開のサルスベリの花を見つけると、立ち止まって写真を撮った。
 今日の午後はBSテレビを付けたらちょうど「グレンミラー物語」が始まったので、見始めたのだが、一時間経ったところで予定していた用事が早まってしまい、後半を見逃したのだった。