白桃のパン


辻堂のテラスモールと言う駅に直結したショッピングモール・・・って言うのかな、ああ言うのを、そこに家族の某と行き、紺色の夏に例えば冷房で冷えすぎの映画館などではおるような紺色のコットンの薄手カーディガンを買った。バーゲンセールで。どこも混んでいる。そのあとに駅の改札前を通って東海道線の南側へ行き、さらに商店街を線路に平行に西の方向にしばらく歩いたところにある小さな食パン専門店に寄り、二種類ほど食パンとほかにも菓子パンを買う。正しく店名を覚えていないが、フラフィって名前だったか。
と、ここまで書いて調べてみたらその通りだった。http://www.shounan-fluffy.jp/
カーディガンの入った紙袋と、食パンの入った袋を持って、さらに西へと歩いてオモテコーヒーへ。オモテコーヒー(この店のブレンド)のダークな方を飲む。これが旨いんだな。
また、辻堂駅まで歩いて戻るのはちょっと遠いからと、バスの時刻を調べてみたら、近くの停留所に茅ヶ崎駅行きのバスが、あと3分で来ると出たので、慌てて席を立って外に出て、早足でバス停の方へと歩いたが、じきにバスに追い抜かれてしまった。そのときにオモテコーヒーの方から声がするから振り向いたら、店主のオモテさん?なのかお名前は知らないが、女性の、その方が、パンを忘れてますよー、と言っている。あれ、カーディガンの袋は持っているのに、それと一緒に、すぐ横に置いておいたパンを忘れてしまっていた。それで、スイマセン、ありがとう、と言いながらペコペコ頭を下げて袋を受け取った。一応、バス停まで行ってみたら次のバスまで30分近く待たなければならないようだ。結局、またてくてくと辻堂駅まで歩いた。
私はカメラを買ったばかりだから、カメラをもっと使いたい。そこで辻堂駅のホームで家族の某に袋を二つとも渡して、某とは別れて、一人だけ上り電車に乗った。横浜の港、大桟橋の辺りにでも行ってみよう、と思う。辻堂ではずっと薄曇りで、天気予報を見ても雨の降る確率は低そうだ。
ところが電車からこれから向かう東の空を見ていると明らかに雨雲、黒く分厚そうな雲が見えてきた。横浜駅京浜東北線に乗り換え桜木町駅まで行き、カメラを首にぶら下げ、駅の改札前の屋根のある通路からいざ外へと歩き出そうとしたまさにその時から、大粒の雨がボツボツと舗道に落ちてくる。そしてすぐにどしゃ降りとなった。やれやれ。
それから雨がやむまでおよそ一時間、改札前の通路で雨が上がるのを待っていた。やっと雨が上がり、予定通りに大桟橋まで行ってみる。すると東の方向、横浜ベイブリッジの渡る向こうの工場や倉庫の並ぶ辺りが、他の方向、みなとみらいの方や、本牧ふ頭のある方向と違って霞んで暗くなっている。あ、東から雨の領域が近付いてくる!そう
気が付いたから早足で、大桟橋をあとにしてJR関内駅の方へと向かうが、途中から降りだした雨は私が駅に行き着く前にどしゃ降りとなるから、慌ててちょうどそこにあったバス停の小さな屋根の下に駆け込んで雨宿り。バス停の時間と共に映像が入れ替わる電飾広告(?)で、涼しげな顔の女優が笑顔で缶ビールを勧めて来る。少し寒いが、買ったカーディガンは持っていない。
もう2分か3分歩けば関内駅なのだが今度の雨はなかなか上がりそうにない。スマホで雨雲レーダー機能を見るとそこまでわかってしまう。
仕方なくやって来た桜木町駅行きのバスに乗った。
家に帰ると買った食パンや菓子パンは半分くらい家族の女性陣が食べてあった。残りを食べたら白桃の香りがするのだった。