食堂のカウンターで


上の写真は茅ヶ崎の某食堂。水色の水差しやサントリーのキャラクターなのかな?楊枝入れもいい。第一、タイルがいい。

14日の月曜は年に一度のガン検診を予約してあったので休暇を取って、毎年そこに決めている代々木駅近くの病院に行く。胃カメラを入れる直前に、なにやら眠気を、催す薬を打たれる。説明書によるとこれは麻酔ではなくて、従って眠る訳ではないと言うことになっているが、私の場合は完全に記憶がなくなり次に起きるともう検査は終わっているのだ。これが実に楽なので毎年ここにしている。
目が覚めてもまだフラフラしているが千鳥足の酔っ払いオヤジよりはまだましか。外に出てから近くの古そうなビルの地階にあるタイ料理店に入りランチを食べた。胃カメラ検査の際にポリープ除去がなかったので何を食べても良しと言われていたので。
地下鉄で六本木へ。21-21デザインサイトで開催中の建築家フランク・ゲーリー展に行く。そのあと青山一丁目の方へ歩く。名前は忘れてしまったが旅行書、と言うより「旅の本」と書くがわかりやすいのか、そんな本が充実していた書店と、その書店に隣接していた広いカフェ、もう十年くらい前にHHさんやSKさんとカメラの話をしながらコーヒーを飲んだことがある、その店で本を見たり休んだりしようと思ったのだが、なんと建物はきれいさっぱりとなくなり白い塀に囲まれてなにやら工事をしているのだった。そのまま途方にくれた気分で歩き続けてしまう。絵画館前。さすがにもうあらかた終わってしまった銀杏の紅葉(黄葉)を少しだけ眺め、外苑前へ。ワタリウムの先にある写真集専門書店shelfで、屋外の特価コーナーにあったジャック・ピアソンの今まで出版された写真集やアートブックを合本したような本を見つける。
今日は曇天で今にも雨が降りだしそうだ。shelfの先の、店内の椅子のないカウンターでコーヒーを飲むかテイクアウトするか、そう言う小さな珈琲屋を見付けて入る。ドリップコーヒー下さい、と頼んだがないと言うのでアメリカーナにする。
店主の女性に若い東洋人の男の子が片言の日本語で話し掛ける。これから羽田から日本をたつのだと言っている。どこへ行くのか、その国の名前も言っていたが忘れてしまった。年越しは××?と、これも忘れてしまったがどこかの都市の名前を挙げて店主が若者に聞く。すると、若者は、いや年越しはロンドンと答えた。彼に世界を飛び回る、あるいは飛び回らなければならないどんな事情があるのかわからない。大変に有名で多忙な若者なのかもしれない。憂鬱そうな顔をして、じゃあね、と言って彼は出ていった。
さらにもう一人いた中年男性の先客が、若者の出ていったあとに店主に話し掛ける。この店のレイアウトが、カウンターのレイアウトが、手前が短く奥に長い今の形よりも、手前をもう少し長くするべきだったのではないかと提言をしている。
壁にアメリカと思われる、晴天の空の下、砂漠もしくは平原の中の一本道を大きなトラックが走っていく写真、同じ道路の隣の車線からトラックの後部を撮ったような写真がポツンと一枚だけ掛けてあった。