人は数字ではなく文字


『その攻略法を考えた。その問題を徹底的に分析し、巨大な方程式の一つの数字として一人一人を考えた。でも失敗だった。人は数字ではなく文字みたいだからだ。その文字は物語となって誰かに聞いてもらいたがる。
誰もが僕の予定よりも長く、パパのことで僕を慰めようとした。自分の話もしたがった。
僕は慰めも友達も要らなかった。』
映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」で少年オスカーの言う台詞。
少年オスカーは父を911で亡くしてしまう。亡くなった父が棚の上に置いていた青い花瓶の中から出てきた鍵。その鍵に添えられたブラックという文字。これはブラックという人の名前を示唆していると考えたオスカーはニューヨーク中のブラック氏を効率的に訪ねて歩く計画を作る。地図とコンパスと電卓機能を使って用意周到に。自分の知らない父の遺した何かが見つかると信じて。しかし、実際に行動を起こすと、一人当たり六分と決めた面会時間ではまるで足りないのだった。そこで彼はこう思うのだった、「人は数字ではなく文字みたいだ」「物語となって誰かに聞いてもらいたがる」と。
感動したとか感激したとか、そういうわけではないのだが、共感というのかな・・・なのでこの台詞(と言っても字幕に日本語訳されたものだけど)をメモしておいたのでこうして上に転載しました。