旭川 街歩き


 出張で旭川二泊。土曜日、7月30日は帰るだけの日。午後4時半の飛行機にして、9時頃から14時過ぎまではじめての旭川の街をふらふらと歩く。なんとなくの第一目標にして土木遺産の旭橋のたもとへ。そこから常磐公園を散策して公園内にある道立旭川美術館で、開催中だった上村松園・松篁・淳之展とイメージの森ー木から生まれる展にも立ち寄る。
 事前にWEB検索で見つけた、どこぞの学生さんが作成した旭川市内路地案内の冊子に紹介されていた細く短い飲食街を順に探して行く。しかし夜にはまだまだ人を誘う通りなのだろうが、武田花が何十年か前に北関東の昼間の街を撮った「眠そうな町」に写っているような街ではなく、もっと荒んでいて、昼間にたどるには少し痛々しいような通りもある。まぁ武田花の写真だって切り取り方が上手いというだけの話だろうが。私がカメラを向けても荒んだ通りがあられもなく写るようなもので、眠そうな、というような丸くのんびりした感じに写らない。そういうのを期待していたから、勝手な妄想や期待は碌なもんじゃない。街歩きをしながら撮っていると、通行人の顔がもろに写っている写真だって撮れてしまうが、そういう中には、けっこうおもしろい写真もあるのだが、いまの時代だからここに公開するわけにはいかない。それでブログ用セレクトをしていくとなかなか低レベルの中から選ぶことになるから、なんだかなあ・・・となってしまう。結局メインに置くことにした上の写真は旭川駅前から旭川空港に向かうバスの車窓から撮ったバッティングセンターの写真で、ちょっとハイキーな感じや、緑の網越しであることや、、たぶんバスの窓ガラスの波長透過が紫外線カットになっているのだろうそのせいで崩れている色温度なんかで、写真が普通の評価基準で言えば劣化している。そういうのをあえて選んでいるが、そういうのを選ぶということもこれまたマンネリであって・・・
 いや、なに、旭川の街は思ったより大きな町でした。眠そうな町と言うよりもそっけなくすきがなかった。もし私がアルコールが飲めるフツウのおじさんで、夜に赤ちょうちんに誘われて、路地の小さな店にふらっと入れるようであれば印象も違うのだろうけれど。
 かん水が合わないのか、ラーメンを食べると数時間あとにお腹を壊す可能性が70%くらいある。だから旭川ラーメンだって食べられない。旭川ご当地グルメではなく帯広の方のグルメなのかもしれないが、そんなわけでラーメンではなく豚丼を木曜から土曜にかけて二度食べた。路地の中には喫茶通りと名付けられた通りがあって、その中の一軒、地下に降りていく古い喫茶店に行って、昼ごはんに食べたのが二度目の豚丼。地下の喫茶店は思いのほか広くてソファーの席がいくつもある。客は少ない。常連のおばちゃん二人組、タバコの煙を立てながらずっと話している。帽子を脱がないままに話している。
 なにか懐に入り込めないままの旭川だった。もしかしたらこんな街歩きこそが、後日になってもずっと覚えているのかもしれない。そして、意外とまた行ってみたいと思うのかもしれない。
 この七月はほとんど読書をしなかった。



ふかした芋。

物置に使われているもとは何かの店だった仕舞屋。窓ガラスに山の絵が残っていた。そこに夏の日が上がり、向こうのベニヤに影が映っている。どこの山なのか私には判らないが、この近くの旭岳とかなのだろうか?