無題

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赤信号で隣に停まった車です。それだけのこと。

写真がすっかりデジタル化したのちに、それによって撮れるようになった、あるいはいままでより簡単に撮れるようになったゆえにフットワーク軽くたくさん記録された写真の中から、歴史に残る名作って生まれたのだろうか?あるいはまだ時間が不足していて、いまは確定していないが、もう何十年かしたら、これが2010年頃に残された人類の歴史に残る傑作だ、というのが定まってくるのだろうか。

ユージン・スミスの二人の子供が手をつないで向こうの明るい場所へ緩い坂を上っていく後ろ姿を撮った「楽園へのあゆみ」とか、ドアノーの「パリ市庁舎前のキス」とか、ブレッソンの「サンラザール駅裏」とか、木村伊兵衛の「本郷森川町」とか・・・。アラーキーがどこかのホテルで撮った陽子さんのポートレートとか。何枚も何枚もそういう写真は浮かぶけれど、ではそれに続くデジタル化以降に撮られた写真ってまだ思い浮かばないが、思い浮かばないのは私が新しい写真を見ていないだけで、とっくに、ほらそこにもあそこにも沢山あるじゃないか!ってことなのだろうか。だけど新しく出てくる写真家もフイルムカメラを使っている方も多いような気もする。

深海で撮られた生きたダイオウイカとか、タイムラプスで撮られた星の動きとか、上記のような傑作に名を連ねる作品とはちょっと、なんていうの?「路線」というか「分野」が違う気がするし。