ジャズ

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会社帰りの車の運転中に、今日は2000年頃に発売された、いや2005年頃だったかな、大坂昌彦(ジャズドラマー)のアルバム「クロス・フェイド」を聴いた。

子供の頃、映画やドラマを見た直後には感情移入した登場人物になりきることがあった。私の場合、子供と言ってもティーン・エイジャーになってもそうだったな。子供っぽく「夢見る」感じがいつまでも抜けないのは、もしかしたら今もそうなのかな。ちょっとアホっぽい。

もしこの日、ジャズ(上記大坂昌彦のアルバム)を聴いていなかったら、こんな写真を撮らなかったのかもしれない。夜、国道沿いとは言え、寂しい(店もないような、住宅街でもないような)道を男たちが一人で自宅への帰り道を歩いている。見ればわかるか・・・それだけの写真。一瞬で撮るにせよ、画面の左端にある植物のシルエットが、そこにあるのがイイと思った。赤信号の渋滞で停まっているときとはいえ、前の車が動けばこちらも動くわけで、だから撮る場所を選ぶことは出来ない。偶然停まったこの位置が植物の位置をここにしてくれた。でもそのときにジャズを聴いていたというのも無意識的に写真を撮る動機になっていたのではないか。映画の主人公に感情移入した結果、いつもは行かないような店に入るなど、いつもと違う行動をしてしまう。ささやかだけどそれと同じような感じでジャズを聴いてたら写真が撮りたくなる、なんてこともあるだろう。

ではこの写真は「ジャズっぽい写真」なのか?と問われるとうまく答えられないな。ただ、このブログに何度か書いたけれど、子供の頃のある夜、父の運転する自家用車に乗っていて、FENから流れてきた(たぶん)マイルスのトランペットの音が、夜の闇の暗さと相まってなにか「不安」を煽ってきた。そんなちっぽけなトラウマのようなことが車+ジャズ+夜が、なにか心にさざ波を起こして、写真を撮るという行為を実行するエネルギーになるのだろうか。