砂浜の野球

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今日も90年代に撮った写真です。平塚市の砂浜。

なんだか昔話ばっかりになってしまいますが、幼稚園生だった4歳か5歳頃。私はもう平仮名は読めたのですが、まだカタカナは読めなかった、だけど虫や動物に興味津々の幼児だったようで、図鑑を見るのが大好きだった。そこで母が「オオスカシバ」とか「アカタテハ」とか「ルリボシカミキリ」とか「ヒラタクワガタ」とか「ムカシトンボ」などカタカナで書かれている虫の名前に、平仮名で「おおすかしば」「あかたては」「るりぼしかみきり」「ひらたくわがた」「むかしとんぼ」と書いてくれたようだ。それで毎日毎日その図鑑を眺めては、ときどき庭に出て、虫を見つけて名前を調べていた。それでもう図鑑に載っていた虫の名前は全部覚えてしまった。そのあと、もうカタカナも読めるようになったから母に振り仮名を振ってもらう必要はなくなったが、図鑑を読むのは相変わらず好きで、貝図鑑、動物図鑑、などなど図鑑は増えて行った。

そんななかにスポーツ図鑑があった。スポーツ図鑑の野球のページには直球と変化球の握り方が図解してあった。変化球は、カーヴ、シュート、ナックル、だったと思う。フォークとかはまだ登場したかしないかの球種だったと思うし、シンカーなんて単語もなかった。いや、少なくとも一般の少年にはまだ届いていない球種だった。チェンジアップも。カーヴを握った手はボールの上側に人差し指と中指が見える。その図鑑によると、シュートは人差し指と中指と薬指と三本が上側に来ていた。ナックルはその三本の爪の先をボールに当てて、あとは指を浮かせて、そんな図だった。私はその図鑑の図しか見たことがないから、これが合っているのかどうかが今でもわからないな。大学生の頃の夏休みにこの写真の向こうにぼけて写っているように砂浜で数人で野球もどき(なにしろ9人✖2チームいないのだから)遊びをしたときも、会社の昼休みになぜかあまり人が来ない広い屋上でキャッチボールをしたときも、図鑑の握りで変化球を投げて、それなりに球筋は変化したものだった。

平塚の海は波打ち際からちょっと海に入るとすぐに深くなり、潮の流れも複雑なのか、海水浴場は開かれずずっと遊泳禁止だったが、90年代になって、ビーチスポーツ(サッカーやバレーボール)で遊べるように整地され、シャワーや更衣室などが作られた。もしかすると狭いけど海にはいっていいスペースも作られたかもしれないけどよく覚えていないです。