桜を見上げる

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 日曜日は雨。どこにも出かけず、読書もしたかったけれど、ほとんどが5月のイラスト&写真二人展に参加させていただくための写真準備と添える文章書きをして過ごす。なんだかこういう作業に掛かる時間が、十~十五年前よりずっと長くかかるようになってしまった気がします。外に出たのは住んでいるマンションのすぐ隣にあるローソンまで、靴下履いてだけどサンダルで、傘をさして行った一回だけだった。

 たぶん今日の雨で南関東の桜はおおかた散ったのだろう。桜をじっくりと撮りに行ったり見に行ったりすることがなかった今年の桜。それでも暮らしのなかで移動しているあちらこちらに桜は咲いていて、とくに名所や名木ではなくても、ある一本の桜を見上げると、やぁ、春が来たな、と思い嬉しくなれる。数輪の花が集まった桜の房は真ん丸で、それが連なって枝を彩るということを、こんな風に写真を撮りながら見つめることであらためて理解する。だから写真を撮ったら、もう写真は撮らなくて、それでも枝を見上げる時間を作りたい。数秒であっても。