79年「江夏の21球」の日に買ったレンズで

 社会人になった一年目の1979年の秋に、ライツミノルタCLというレンジファインダーのレンズ交換可能なカメラが欲しくなり、新宿のミヤマ商会で、たぶん7.5万円くらいで中古品を購入した。このカメラが販売されていたのは1973-76年だったそうで、1979年にもう新品は売られてなった。買った日は1979年の11月4日だった。なぜ日付まで覚えているかというと、ミヤマ商会でこのカメラを買ったあと、当時住んでいた横浜市の寮ではなく、平塚市の実家(父と母と当時高校生の妹が住んでいた)に帰り、フイルムを入れて、試し撮りで父を一枚、妹を一枚撮った。父はテレビの前に座っていて、テレビには日本シリーズが映り、広島と近鉄が戦っていた。そして、父が見ている試合を私も真剣に見始めたのだが(なにしろ当時はJリーグもまだ始まっておらず私は広島カープのファンだった)それがかの有名な江夏の21球という9回裏ノーアウト満塁、近鉄の逆転のチャンスを江夏が0点で切り抜ける、とくにバッターがスクイズに入ろうとした姿勢を投球フォームに入ったあとに見抜き、投げる予定のコースを急遽変更してバットが届かない(だけどキャッチーは捕球可能な)高めに投げ分けてスクイズ外しに成功したという伝説の試合になった。だからいま検索エンジンで「江夏の21球」と入れると1979年11月4日と出てくるから、それがライツミノルタCLを買った日だとわかる。

 ライツミノルタCLにはMロッコール40mmF2.0というレンズが標準装備されていて、よく写ると評判だった。最近になりこのライカMマウントのレンズをフルサイズのデジタル一眼にくっつけてみようとアマゾンで安価なマウントアダプターを探して買ったので、今日は神奈川県中郡大磯町にスナップ散歩に行ってみた。家からは車で25分くらいだから近所にちょっとだけ散歩に行ってきたという感じで、午後には雨になるという予報だったから降り出す前には早々に、急いて帰宅した。

 開放だと周辺光量がけっこう低下する傾向はライツミノルタCLを使ってフイルムで撮っていたときにも感じていたが、ミラーレスのデジタルだともっと暗くなるのは、これはレンズではなくカメラのセンサーの斜めからの光がけられてしまう影響もあると思う。当時はよく写るということだったが、開放から一段二段絞ると解像が上がるけれど、開放で撮るとやはりレトロレンズっぽいふわっとした感じになるんだなぁ。こういう遊びは開放のふわっを楽しむためのようなところもあるから7割くらいは開放で撮って来た。

 アナログLPレコードを回して音楽を店内に流していて、植本一子さんのzineを置くイベント中だった「烏」という花屋の前を通ったので、ちょっと立ち寄り下の写真を撮らせていただいた。ブログに載せてもOKとのことでした。この写真もロッコール40mmの開放で撮ってますが、こっちはフォトショの自動色補正とコントラスト補正をちゃちゃっと掛けたのでふわり感は減ってしまっています。こんな一日でした。

 なんかなぁ、こう書くとそれなりに楽しんでいる休日っぽくて、まぁたしかに写真を撮って散歩して、帰宅して写真をモニターに映してフォトショで処理してブログを書く。それはもちろん自由時間を好き勝手に使っていて、楽しいことなんだろうけれど、その休日の過ごし方が定番化していて、どこか「義務」のように「仕事」のように過ごしている感も否めないんですよ・・・。こういう気分って私は「空席待ち」の気分と自分では思うんです。本を読んでもなかなか没頭できなかったりで、心底からリラックスできていない感じ。最近は寝ても3時間くらいで一度起きてしまう。これも同様なやれやれという感じになる。でもさ、こんなこと書いていること自体贅沢なことなんだろう。申し訳ないな。結局わたしは甘ちゃんだな・・・

 大磯の井上蒲鉾店でさつまあげを買ったので、このあと(アルコールには弱いのでわずか0.3合くらいの)日本酒を飲みながら食べてみます。秋の連ドラが始まったので「舞い上がれ」と昨晩は夜更かしして「サイレント」を、それぞれNHK+とTverで観ました。私は涙もろいと追認出来た感じ(笑)。

 今日はいつもより早く、午後五時過ぎのいま、このブログを公開してしまおう。