時計

 茅ケ崎市のサザン通り商店街にある時計屋さん。壁に丸い壁かけ時計がたくさん掛かっているのが見えて、ちょっと撮りたくなりました。

 十五年くらい前だろうか、瀬戸内海の大崎下島という島に旅をした。島には古い時計屋さんがあり、全国津々浦々から修理を依頼する機械式時計が届く。修理は数か月先まで一杯だとおっしゃっていたかもしれない、ずいぶん時間が流れたが、このまえちょっと検索してみたらまだ店があるようだった。

 父は祖父からもらったスイスのCYMA(シーマ)の時計を大事にしていた。そのブランドが1950年代60年代頃には有名ブランドだったのかどうか?ロレックスやロンジンに比べれば小さなブランドだったのかもしれない、わからないけど。父はたぶん陸軍士官学校に通っていたハイティーンの頃に、祖父からシーマの腕時計をもらって、すごく嬉しかったんだろう。最初に親しんだブランドは、ずっと良きものとして応援したくなるのが人の心だから、父もそんなわけでその後もそのブランドをずっと信奉していたようだ。

 私は小学生だった、ある日、父が銀座のWAKOに時計を買いに行くというので付いて行った。1960年代。時計の良し悪しは×石(×は数字)という、これなんでしょう、水晶発振子の数かなあ・・・それで決まっていた。父がWAKOのガラスケースの上に何本かの時計を出してもらい、そんな数字も気にしつつ、ブランドはCYMAにと決めた上で、あとはお値段とデザインでどれにするかを決めていたに違いない。わたしは待っているだけで、目当ては鉄道模型天賞堂(が近くにあったんじゃないかなあ・・・?)に立ち寄ってくれるという父の約束だったから、時計が決まるまではじっとしていた。

 こういう町の時計屋さんの経営がどういう風に成り立っているのか私にはわかりません。