嫌いだったレバー、今は大好物

 2月19日日曜日。強い南風。暖かい日。今年はじめて、コートやジャンパーが不要だった。茅ケ崎市の最高気温は19℃だったそうで、一週間のうちに最高気温が一番低かった日と、一番高かった日の差が10℃を越えたことになる。午前、自家用車を運転して、片道10分ほどの場所にある国道沿いのスタバに行き、桜色のラテを飲みながら読みかけの本を読了する。読みかけとは言え、この本は再読で、シリーズものらしい新刊(文庫化新刊)を読むための読書。読み始めて、その先を思い出せれば、そこで切り上げても良いのだが、読んでいるエピソードは読んだことがあると判るのだけれど、そこからその先の物語の展開がどうなるかが全然思い出せなかったから、結局再読、読了、となった。いちど走ったことのある道路沿いの景色を、今度は先の見通せない霧の日に走っていて、そこだけ見える今いる場所の景色は、あぁこんなだったなと覚えているのに、この先の道路沿いの霧に隠されて見えない景色は、そこを通るまで結局はなにも思い出せなかった。そういう感じ・・・(霧の日の運転の比喩を書いたせいで余計わかりにくいかもしれないな。よくなにかを判ってもらうために、たとえ話を思いつくけど、そのせいで余計にわかりにくくしてる気がします)

 スタバへ行く道、車が赤信号で停まると、風のせいで車体が小刻みに左右に揺れているのがわかる。午前8:18、NHKラジオはクラシック音楽の番組で、ホルンとバイオリンとピアノの曲が流れている。そのホルンの音の柔らかさが、風が強いけれど、暖かく湿度も高いこの春の日にぴったりな感じがした。その曲が流れていた時刻を8:18と覚えていたのは、あとから番組検索をして曲名を知りたかったからで、だけどスタバに着いてすぐにラジコで検索したら、ブラームスのホルン三重奏曲だとわかった。

 天候がその季節の平均値より、暑いとか寒いとか、乾いているとか、あるいは大雨だったり大風だと、それだけでちょっと心が高揚してしまう感じがある。クラシックはあまり聴かない私だけれど、ホルンの音色に引っ張られて、三重奏曲が素晴らしく聴こえる。それで思い出したのは、その日が平均値よりどっちにどう振れた日だったのかは忘れたが、京都の出町柳駅前にあるジャズ喫茶でカウンター席の奥の方に座ってコーヒーを飲んだ「平均値から大きく振れた天候の日」の夜のことだ。私以外は常連さんばかりで、ちょっと緊張して座っていると、たしか年配の女性客が入っていらっしゃって、天候のことを口にした。そのときに、かかっていたのがビリー・ストレイホーンのピースフル・サイド・オブ・ジャズというアルバムで、その後このエピソードを思い出しつつ愛聴するようになった。エピソードというのは、その日の天気が特別だったというだけでなく、その年配の女性客がなにか果物を差し入れてくださって、常連の皆さんだけではなく、私にもひとつの果物が渡されたということもあるのだが、肝心の果物の種類を忘れてしまった。リンゴだったか蜜柑だったか。

 今日の午後はマンションの理事会があったが、すぐに、30分ほどで終わった。帰宅してからパソコンを付けたら現像に出していたカラーフイルム4本分の画像データが届いていたので早速ダウンロードをした。上の写真は少し前に友人と後輩と行った焼き鳥屋のコースで出てきたレバー。そのダウンロードしたフイルムで撮ってあった写真の一枚です。

 子供の頃に嫌いで食べなかったものの中に鯖寿司と、こはだと、レバーと、鯖味噌がある。ほかにもあったかな。いまは鯖寿司とこはだとレバーは大好物に変化している。なぜか鯖は焼いたときと刺身は美味しいと感じるのに煮たやつだけがダメなままなのです。

 レバーは美味しい。

 ビリー・ストレイホーンのこのアルバムはSpotifyで聴けます。

The Peaceful Side Of Jazz

The Peaceful Side Of Jazz

  • CM BLUE NOTE (A92)
Amazon