東京湾を行く船

 先週の火曜に横須賀美術館に行ったときに東京湾を行き来する船をしばらく眺めていたときの写真です。当日のこのブログに二枚写真を載せた。その日には落選していた写真だけど、今日見るとちょっとイイ感じに見えました。日によって、あるいは写真を選ぶときの気分によって、さらには撮ったときのことをどれだけ忘れているかによって、選ぶ写真が変わるものです。

 いままで一番長く船に乗っていたのは、東京晴海ふ頭から釧路まで乗ったフェリーだったろう。たいしたことない。そのとき自分が乗った船は晴天のなか揺れることもなく順調に航行してくれて、なんとなくデッキから360度ぜんぶ海という景色を見たことだけは覚えているが、そんなのももしかするとそのデッキで撮った記念写真のことを覚えているだけなのかもしれないな。27歳くらいのことで北海道をバイクでツーリングしたときだ。

 友人の妹さんが旅先の九州から東京までフェリーで帰って来るときに台風が来て、航路を大幅に南に変えて台風を避けて、予定より長い時間を掛けてやっと帰り着いたことがあったのを覚えている。1977年頃のことだ。友人のお母さまと友人が心配していて、当時はネットで即時の情報が取れる時代ではなかったからテレビやラジオのニュースで船の情報が流れるのを待って、ずっとラジオの前に座って、テレビも付けっぱなしになっていた。なんで私がそこにいたのかな?

 妹さんは無事に帰ってきて、一体どんなだったのか?揺れたのか?食事は取れたか?船酔いはしなかったか?と矢継ぎ早に質問攻勢にあったんじゃないかな。

 最近も数年に一度は船に乗る。三年前には鹿児島港から桜島までフェリーに乗った。横浜のシーバスでも桜島フェリーでも、そんな短時間の船旅であっても船は海という自然の中にぽつんと放り込まれる感じがする。小さな不安のカケラが心に起きる(のは私だけか?)。