花を養う天空

 ときどきこのブログのタイトルを「あまのじゃく日記」にでもしようかなと思う。桜や桃の花が道沿いに咲いた道を歩いて行く。その並んだ木々のなかに、まだ芽吹いていない、去年の秋の枯葉を落とさず付けている木を見つけた。その枯葉にカメラを向けて一コマだけ写真を撮る。それからまた歩き始める。インスタグラムやブログを見ていると、皆さんがいっせいに桜の花の写真をアップしはじめた。パソコン(またはスマホ等)の液晶画面経由で視覚に季節感が届く。乗り遅れないように、と外に出て自分の出会った桜は、この外出を誘われた画面の桜とは違うけれど、そこには今現在の視覚以外の五感にも入って来る感覚もあって、そんなことは書くまでもなく当たり前なのだが、書くことでその大事さがわかるかもしれない。そして「あまのじゃく」は桜を見てから翻って枯葉にカメラを向けた(笑)いや、もちろん桜にも向けたんですけどね。

 パソコンに取り込んだ写真から色を抜いてみる、ノイズも加えてみようか・・・モノクロになった画像がきれいに見えるときと、写真的な面白さのようなことが失われるときがあるが、この写真に関して言えば、色を抜いた途端に、綺麗だな・・・と思った。

 養花天という単語があるそうです。季語ですね。毎日素敵な俳句をアップしてくださる某ブログに、その季語を使った俳句がありました。それで知った季語。調べると「桜の咲くころの曇り空」とあったが、花を養う天空、というようにその字の通りに読み解いた方が意味が膨らみます。