開店前の窓際

 2015年頃の3月に撮った写真から拾い出しました。稲村ケ崎の海沿いの国道134号線に面した ~今は建物はそのまま使われえているが別の店に変わってしまっているようです~ バーの窓際に置かれたグラス。これは灰皿として使われていたものなのか、それともアルコールをくいっと飲み干すときのグラスなのか。陽が挿す昼間にはまだ店は開店前で、窓からのぞくとカウンターの向こうにアルコールの瓶がずらりと並んでいた。このブログに書いたことがあったかもしれないが、一度だけ、12月のある日の夜に友人とこの店に入ったことがあった。ビル・エバンスポルカ・ドット・ムーンビームスが流れていて、シラスのピザを食べながらコロナビールを飲んだものだった。それはこの写真を撮った2015年からさらにまた10年前、2005年のことで、その日の写真も見直してみた。当時は500万画素のコンデジを使っていて、さすがに手振れ補正機能もなく手持ちで撮るとISO1600くらいまで上げているが、そのときの画像ノイズもひどく、暗い場所で撮った写真はぼんやりとしていた。シラスのピザだけでなく、なんと焼きおにぎりも食べていて、なんだそれ?と思った。

 店に入るまえに、この店のすぐ前の国道を渡って砂浜に降りて、そのコンデジを浜に置いて、ISO200までに抑えて、そのかわり15秒露光にして写真を撮った。海が赤く写っていて異星の海といった感じの写真だ。赤く写ったのは後ろにある国道のナトリウム灯の光が原因だ。長く写真を趣味にしている方にはわかっていただけると思うが、なにかコンテストに入選したとか誰かに絶賛してもらえたとかではなくて、自分勝手に自分の撮った写真の「代表作」だなと思っている写真が何枚かあるものだ。そのSFチックな「異星の海」(みたいな)写真はそういう類の写真になっている。赤いのがいい。どういう写真を「代表作」と思うかというところにアマチュアだろうがプロだろうがカメラマンの心情が現れている・・・かもしれない。もしそうだとすると、私は真を写すのではなく、別のなにか(この場合は異星)を思わせる写真が好きなんだなとわかる。

 話変わって、最近、本屋で買ってきた本が、買ったときはもちろん読んだことがない本だと思って買うんだけれど、その後になんか読んだ気がしてきて、読了本メモと照らし合わせると、やっぱり読んであった・・・ということがよく起きます。