ブルージャイアントを見たあとの渋谷の夜

 土曜日、6/10の夜に渋谷の映画館に「ブルージャイアント」という世界一のジャズサックスプレイヤーを目指す18歳の宮城県出身の若者を描いたアニメ映画を観てきた。ソニー・ロリンズか、ジョン・コルトレーンか、ジョー・ヘンダーソンか、ウェイン・ショーターか、マイケル・ブレッカーか・・・そういう人たちのジャズを、70年代80年代にジャズ喫茶やで大音量で、自宅でプレイヤーを回して隣のお宅を気にして小~中音量で、ライブハウスで、コンサートホールで、屋外イベント会場で・・・ずいぶん聴きまくっていたけれど、最近はジャズを聴くときも、ビル・エバンスなどのリリカルなピアノ・トリオばかりになっていたから、ちょっと久々に血沸き肉躍る感じの疾走感溢れる音に浸れて、気分が高揚した。映画のあと、ビルの7階にある映画館から降りるエレベーターのなかでたまたま一緒になった同年配の男性と、興奮さめやらぬ感じで「泣けましたねえ」などと言い合った。

 夜の渋谷は久々。宮下公園はすっかり新しくなり、以前は電車の窓から見える階にあった「公園階」は3(ん、4?だったかな)階に移ったのをはじめて知った。電車から公園でスケボやフットサルをしている場所が見えなくなったから、あの公園は無くなったのだと思っていた。新しい公園は小ぎれいで芝生がありベンチが置かれ、でもスケボをやる場所なども残っていて、いい感じは引き継がれているようだった。以前の宮下公園では昼間っからドブネズミを見たものだが、したたかな彼らはもうこの新しい公園にもいるのだろうか?

 西武百貨店渋谷は1966年の建築だそう。渋谷の町がいつの時代も若者であふれて、若々しくあり続けているなかで、でもこの建物はもはや誰も疑わずに、同じ姿のままここにあり続けて50年以上が経っている。あらためて見ると60年代のテイスト漂うかっこいいデザインだと気が付いた。

その前を写真の右側の信号で止められていた人たちが一群になって駅の方へと歩いて行った。若いときはこの人波のなかで、うまく隙間を見つけては、少しでも早く先へと、縫って歩くようなこともしたものだ。

 でもこの百貨店にもきっと建て替え計画が持ち上がっているに違いない。