緑の帆布のバッグ

 古い写真を見直していて・・・すなわち相変わらず最新の写真でここに使えそうなものの取れ高が低くてHDD過去の旅に行く訳です・・・2015年の夏に撮ってあったこの写真を拾い出してきました。横浜中華街で撮った写真。単純にこの店の二階のファザードに貼ってある万里の長城の写真が気になって、撮ったのだろう。撮ったときのことはなにも覚えてないけど、どうせならこんな斜めからのいい加減な構図ではなく、正面からすこし引いて、撮れば良かったのに!と、過去のわたしに文句を言いたくなります。古そうなモノクロ写真を掲示しているのがいいですね。それで、いまもこの写真をこの店は掲げているのだろうか?と思い、食べログでこの店を検索して、写真×外観を見てみたら、もうこの写真は剥がされ、いまはもう無くなっているようでした。コスパの良い店だと書いてありました。

 たぶん今はもうないと思う、中華街の外れに帆布のバッグを作っている工房があり、90年代後半に、そこで緑色のショルダーバッグを買ったことがありました。A4サイズだと半折にしないと入らないけれど、B5ならぎりぎり入るくらいの大きさ。直方体のシンプルな一本のチャックで、外に一つだけベルト式でふたをするポケットが付いている。その中華街の外れの工房で買うと、そこの製品を卸している店で買うよりも少しだけ安かったと思う。どれだけ長く買ったものを使い続けたか?は買ったときにはわからない。私の場合、いろいろ考えて調べて悩んで、やっと決めて買ったものよりも、その日にバッグを買うつもりもなかったのに、通りかかった店の閉店セールに出くわし、凄く安価だったからなんとなく買ってみた、同様に、アマゾンの年に一度か二度のセールの日に、やはりずいぶん安価だったからこれもなんとなく買ってみた、そういう品に当たりが多くて、ずーっと高い稼働率で使うことになった、と言うバッグが多い気がします。

 帆布のグリーンのバッグはそれほどの稼働率ではないけれどまだたまに使っています。色もだいぶ落ちた。日の当たる場所に置いてあったわけでもないけれど、日に焼けて色落ちした感じもある。フイルムカメラをバッグにいれてどこかに出かけるときに使うことが多い。

 中華街と元町のあいだに上を高架の高速道路が走っている川が流れている。大岡川だろうか?高架の下、その川に掛かる橋の車道と歩道を区切る鉄の仕切の上を小さな女の子が二人、走って遊んでいる。女の子の向こうには赤信号で停められているオートバイがいてヘルメットを被りサングラスをかけたライダーがこちらを睨む。そんな一瞬の光景をモノクロのフィルムに撮ったことがありました。高架の隙間を抜けてきた陽の光が女の子とライダーをスポットライトのように照らしている写真。

 覚えているわけではないけれど、あの写真を撮ったときを想像すると…過去の事だから思い出せれば良いのだか、想像するしかないのです、なにも覚えてないから…グリーンの帆布バッグにマニュアルフォーカス時代の黒い重い一眼レフに35mmのレンズを装着したのを入れてきた、そんな感じ。