デイヴィッド・ホックニー展

 猛暑のなか、昨日16日の日曜に、清澄白河にある東京都現代美術館までその前日からはじまったデイヴィッド・ホックニーの展示を見に行きました。上の写真は美術館の地階になるのかな、一階なのかな、池と石のある庭です。あまりに暑いからか、あるいは導線として展覧会とショップの流れにないからなのか、あまり訪れる人がいない場所で、私はこの美術館に行くときには立ち寄ります。西日が水面にあたり、反射した光が天井でゆらゆら揺れるのは、むかしは神奈川県立美術館鎌倉だった坂倉準三設計の建物にもつながります。

 ホックニー、1970年代80年代に渋谷のパルコなんかにはちょっと高価なポスターを売っている店があり(いまもそういう店はたくさんあるんだろうけれど、そういう店のある可能性のあるところに行かなくなったせいか、あるのかないのかわからないです)ポップアートの旗手としてホックニーがずいぶん売られていました。今回買った図録によればホックニーポップアートとして評価されていたが、本人はそんな分類なんか気にしていなかったようなことも書いてあった。ポップアートって単語の意味はよくわからないけど、当時、70年代80年代にホックニーは日本人の若者には、やはり、結局は時代の共通認識の単語で近いのは「ポップ」だったし、明るい色使いや、新しい価値観の提示を感じたりもして、まぁ簡単に言えば「かっこいい」のでした。1980年代後半?かな、新宿のデパートだっただろうか、ある会場でホックニーのフォトコラージュを別の会場ではウォーホルの車を同時期に展示していて、記憶が正しければ・・・ですが、世の中が欧米のポップアートに注目していた背景もあったんだろうか?上記の新宿でのホックニー展のフォトコラージュの展示では、たくさんの大型のコラージュ作品が展示してあって、当時はすっかり魅了されて、そのあとずいぶん真似をして作品を作ったものでした。

 もう85歳なのに、日々新作を生み出し続けていて、今回の展示も回顧展などではなく、ほとんどが最近作、2000年代2010年代ときには2020年代の作品で、そこには最新のデジタル機器が製作に寄与していました。いちばん寄与しているのはiPadのようです。日々、iPadで描いているらしい、すごい。そしてその描画経過をiPadが記録してあって、動画展示では白紙から完成に至るまでの経緯が明かされている。この手の展示はデジタル化以降増えましたね、以前、谷川俊太郎展で詩が完成するまでのテキストの変更を時系列で示して詩人の試行錯誤を見せていましたが、そんなのを思い出しました。

 会場写真はスマホのみOKということで、下はスマホで撮ったずっと続く四季図の内の1/10くらいの範囲かな、で、発想は日本の巻物になっている絵画みたいでした。

 会期二日目なのに欲しかったプールの絵のTシャツは長袖も半袖も?私の行った時刻には売り切れていました。