傾いた椅子

 開店まであと少し、ハンバーグの店らしい。たぶん、少し前に開店準備をしている店のスタッフが店内に仕舞われていたこの椅子を並べたんだろうな。あるいは置きっぱなしか。店に近い方から黄色ひとつ、オレンジひとつ、ピンクっぽいのが四つ、水色が二つ。店の入り口は歩道の高さより少し低く、椅子は傾いたスロープに置かれている。写真を撮った理由は色がきれいだったからだけど、選んだ理由は撮るときにはそんなに意識していなかった、この待ち列用の椅子の傾きが面白かったからです。撮るときと選ぶときに見ているところがだいぶ違う。

 海外の国でも、人気のカフェやレストランでは辛抱強く店内が空くのを待って、じっと列に並ぶものなのかな?最近はなんで、どこへ行くにも予約をしておかないと、うまく行かないんだろう?むかしは気紛れで店を選んでも、そんなに待ったりしなかった。ほかの例だとコンサートのチケットは、少しくらい人気のあるバンドであっても、発売日早々に街角にあったプレイガイドに買いに行けば手に入ったものだ。これは結局のところ、SNSやネットで情報収集が楽になったから、人気店はさらに人気が出て(人気アーティストはますます人気が出て)人が集まるところが先鋭化したってことだろうか。

 この椅子に座る人は知らず知らずちょっとだけ傾いているものなのか?次回の観察テーマ(笑)