協調的な移動

 先週?もう先々週?の土曜にアップしたこのブログの鹿の写真に続き、たぶん同じ町・・・そうか、京浜急行梅屋敷駅付近だった気がするな・・・で撮ってあった写真には、色の禿げた?鼠のキャラクターの置物が二体、ドアの両側に置かれた開店前の飲食店の写真がありました。ちょっと怖いかも、招き入れられると筒井康隆が70年代にずいぶんと書いていたSFドタバタのような異界の不思議な話に巻き込まれそう。とはいえ注文の多いレストランではないでしょう。

 もう40年以上前の読書だからなにも物語は覚えていないけれど、タイトルだけ覚えている「霊長類、南へ」とか「家族八景」、読み直すと面白いのか、もう自分の感性が変わっていて面白くないのか、時代の方が変わってしまって陳腐化しているのか、それとも今でも楽しく読めるのだろうか?

 1970年代後半、金属学の教授が「マルテンサイト変態」についての授業をしてくださっているというのに、手元でずっと筒井康隆を読んでいた。別の授業だったと思うけど、授業が終わってふと教室の窓を見たら区切られた中に青空と白い綿雲があって、おーっ、写真に撮りたいな、と思ったことも覚えている。

 マルテンサイト変態;合金において結晶格子の各原子が拡散を伴わずに協調的に移動することにより新しい結晶構造となる変態。

 なんだ、今でもよくわからないや・・・でもなんかいまの地政をマルテンサイト変態でうまく「協調的に移動」して誰もが満足出来れば平和なのにね、と思いました。