伊東豊雄の挑戦 展

 10/28土曜日、快晴。初めて豊洲に行きました。目的は芝浦工業大学豊洲校舎で開催中(とは言っても明日29日まで)の「伊東豊雄の挑戦1971-1986」。新しい大学キャンパスは開かれていますね。この階段花壇の上の広場は子供たちの遊び場になっていました。花もきれいに咲いていました。

 建築家伊東豊雄の事務所の業務に密着したNHKのテレビ番組を数年前に観たことがあります。なかなかコンペに勝てない苦悩、所員の模索と提案を、ときにひっくり返すように否定する伊東。迫力のある番組だった。初期代表作が最終的に設計完成するまでのあいだの思考の仮定がわかる。ときに大胆な変更が入っていく仮定が。

 それで思い出したのは1990年代の後半か2000年ちょうどくらいに、伊豆の一碧湖畔の美術館で行われた画家の田島征三が即興的に絵を描き、同時に小室等が歌を歌う、という絵と音楽のコラボのライブパフォーマンスで、そのときに田島さんが、だいぶ描き進んだと素人には見て取れた絵を、まるで新しい絵で覆いつくすかのようにつぶして行ったことだった。

 絵でも建築でも、作品を作る過程で、ある程度進んでいた案を、思い切って変更していく、それが出来るのは、たぶん、先を見通せること、いまに固執しないこと、視点が高く俯瞰できること、冷静であり見極められること、常に最高を目指すこと・・・これが全部そうなのかわからないけれど、妥協をしないエネルギーとともにこういう能力があるから出来るんだろうな。

 そうあれるのは若い人ってことかもしれません。