今度は10年前の写真から拾い出しました。店に貼られた写真のモデルがドーナッツを食べているから、この店はミスタードーナッツなのだろうか？ファッションや広告に詳しい方なら、この写真を見て、今ではないな、十年くらい前の感じだな、と判るんだろうか？私はなにも気づけないです。
ミスター・ドーナッツは1978年頃に初めて行きました。私が当時通っていた大学の最寄り駅の地階ホームから改札を出て地上への階段を上がったすぐのところに店があった。昼休みに研究室の同期と先輩の四人くらいで食べに行ったこともあった。オールドファッションをよく食べていた。いまも定番としてあるのだろうか。
最寄り駅までは大学から徒歩で片道20分くらい、往復で40分も掛かるから、歩いてドーナッツを買いに行くと昼の時間がだいぶつぶれてしまう。研究準備の試料を旋盤で削りだす作業もやらなくてはならないし、それと同列に研究室対抗の野球大会のためにキャッチボールと夕方にはバッティングセンターに繰り出すし、そうしない日は今度は研究室対抗駅伝大会に備えて5kmのジョギングもする。そんな万城目学が書きそうな大学生生活をしていたから意外と忙しい。だからドーナッツを買うためには先輩の青い日産サニーに乗って行く。当時はまだ車を持っている学生なんかあんまりいなかったし、だけど女の子を誘うには車がいちばん手っ取り早いアイテムだったから誰もが車を持ちたがっていた、そんな時代。先輩はもうちゃんと彼女がいたけれど、それはサニーの効果だったとは思えない、それくらいそのサニーはおんぼろで、助手席のドアは開閉禁止（開けると落ちるという噂）。エンジンは坂を下りながらじゃないと掛からない。だからミスタードーナッツの近くの坂道を下る方向に向けて車を停めて買いに行った。だけどその駐車した場所は駐車禁止なので大急ぎで買ってくるのだった。坂を利用してもエンジンが掛からないときには皆で押し掛けをしなければならない。
オールドファッションというドーナッツを買ったのは、たぶんだけど、その五年かもう少し前に、スリー・ドッグ・ナイトというバンドが「オールドファッションド・ラブ・ソング」という曲をヒットさせていたからの繋がりだった。他愛ないな。
この頃のことを思い出すと、それは秋だった気がする。それともう一つ、大学生協にあったレコード売り場で、ジェイムス・テイラーの「JT」というアルバムを買ったのと同時期だった気がする。ベルボトムのジーンズを止めてスリムのジーンズに変えたのもこの頃だったけれど、それがなんの理由だったのか、ただベルボトムの流行が終わったからだったのかは覚えてないな。月刊プレイボーイでアメリカのロックスターの写真かなにかを見て影響されたんじゃないだろうか？
月刊プレイボーイで、ビリー・ジョエルだったかなぁ、いや、違うか・・・スニーカーを裸足で履いている写真を見て、早速真似てみたら、日本の湿度の高い夏だと、めっちゃ足や靴が臭くなった。・・・アホ。
