小山

 写真は2023年2月、栃木県小山市の駅前ロータリーです。右側に写っているのはたぶん新幹線の駅です。反対側の東口はすぐ近くに白鳳大学があって、再開発された新しい街で、古い建物やあったかもしれない入り組んだ路地の飲食街なんかは(地元の人なら知っているのかもしれませんが)印象として駅前からはきれいさっぱりなくなっている。だけどあたらしい街が賑わうほどの人出もなく、そうなるとかえって寂し感じがしてしまう。地方都市は車でちょっと行くと大きなショッピングモールがあって、ほとんどの住人は車を持っていて、それで暮らしが成り立っているんだろう。写真の西口駅前ロータリーはバス乗り場の緑の歩行者エリアも赤と白のストライプの屋根も、きっと昔からそのまんま。たぶん人の賑わいだけが消えたんじゃないだろうか。だけど東口もきっとそうだろう、飲み屋街だけは最後までしぶとく残るだろうから、写真の左側のビルの裏手あたりに、広がっている予想は立ちますね(笑)

 私が小学校か中学校の頃、小山市のこの写真の左側へずっと1キロか2キロ歩いて行ったところに思川という川があるのだが、そのあたりに叔父の一家が住んでいた。何回か遊びに行ったことがある。1960年代後半かな。その頃のわたしは蒸気機関車に夢中で、世の中も夢中だった、小山には機関区があって、両毛線を走るC50型蒸気機関車が数量配備されていた。ある日、おじさんに連れられて機関区まで機関車を見に行った。おじさんはどんどん守衛所かな事務室かなに入って行き、写真を撮ったり見学したいから入っていいか?と聞いてくれた。こちらはちょっと恥ずかしく思いながらうしろで控えていたんだろう。いまだったら突然やってきた外部の人を(ある程度)危険な機関区に入れたりしないだろう、けれど、当時はおおらかで、いいですよ!とすんなりOKが出たものだ。その日には父のお下がりのカメラを持っていて(昨日だかのブログに書いた最後は自分でばらしてしまったカメラだったかな・・・)モノクロフイルムが入っていて、それで光を読みながらシャッター速度と絞りを決めて(当時のカメラ小僧は小学生だってマニュアル露出が設定できた)C50型機関車を写真に撮った。だけどもうカメラはだいぶガタが来ていたからピントがぼんやりとした写真しか写らなかったと思う。

 そのとき撮ったSLは、小山機関区からたしか山口県の柳井の機関区に転籍し、いまもどこかに静態保存されていたと思います。