背中丸めて

 東京の日の出が一番遅いのが一月上旬で、日の入りが一番早いのが十二月の上旬で、そのちょうど真ん中あたりに冬至があった。だから最近はもうひと月前と比べると日の入りの時刻は10分から15分遅くなっている。私はまだそのことを体感として感じてはいないけれど、たとえば会社の業務が16:30または17:00に終わり、残業はなくて、毎日決まった時刻に外に出る習慣のある人は、そのことを当たり前に知っているんだろう。私が会社に自家用車で出勤するために家を出る時刻は、いまはまだ真っ暗で日の出まで一時間半くらいはあるのだけれど、そのうちこの家を出る時刻が日の出の前後になってくると、日に日に日の出時刻が変化しているのがよくわかるのだ。これは昨年も一昨年も体感済みです。

 とはいえ、この1月中旬からのひと月くらいがいちばん寒い季節だろうな。今日、1月11日も東京は珍しく曇っていて、とても肌寒いです。いまは午後3時で今日は在宅勤務を早目に切り上げてしまいました。年始に妹にいただいたお菓子の詰め合わせに入っていた最中をひとつ、お茶を飲みつつ食べました。

 今週の朝のラジオで流れている健康に関するコーナーは悪玉コレステロールや脂質を減らして血管を若く保ちましょう、というもので、そのためには、青魚と海藻とキノコ類をたくさん食べなさい、ご飯はやパンは真白のではないやつ(五穀米やドイツパンってことかな・・・)を食べなさい、洋菓子はほどほどに、まだ和菓子の方が無難、とおっしゃる。アルコールもビールなら一本以下・・・ま、これは飲めない質なので自動的にクリアしているけど・・・そんなことをおっしゃるのだった。しかし海藻やキノコやを毎食ごとに小鉢に一杯以上食べると良いというのはさすがに難しそうだ。青魚も毎日なんか食べられない(鯖の味噌煮が嫌いなのです、焼いたり刺身なら食べられるのに)。以前はやずやだったかヤクルトだったかの、健康サプリの青魚のやつを毎晩欠かさず飲んでいたけれど、効いているのかどうかよくわからなかったので、十年くらい飲んでいたのを二年くらい前にやめにした。いずれにせよ、健康診断では悪玉と脂質はいつも注意マークが付くのです。あと肝臓の値も。やれやれ、青魚の・・・アルファベット三文字のやつ、なにかしら、結局はサプリででもとった方がいいのかな???などと朝からラジオを聞いて、考え込んだりしてしまう。

 話が変わります。上の写真を撮ったのは先日、横浜伊勢佐木町付近で私の前を背の高いやせた男が背中を丸めて、ポケットに手を入れて、ゆっくりと歩いていたのを撮ってみたもの。その夜、写真をこんな風にモノクロ化したりで遊んでいたときに、たくろうが歌っていた「金曜日の朝」と言う曲を思い出した。写真は夕方ですけどね、そして夕方の写真を見てこの文章の冒頭部分を思いついたんだけど。そこから健康の話に脱線してしまいました。

 で「金曜日の朝」という歌の歌詞に、背中丸めて歩く、僕がうろつくこの街、というのがあった。こういうそろそろ夜に近くなった時刻に背中丸めた男たちがみな一人で街に出て来てうろつきはじめ、最後はパチンコ店や定食屋か飲み屋か女の子のいる店に落ち着くのかな?多くは黒っぽい服着て。いかにもそれが伊勢佐木町らしいと思う、男がつるんでなくて大抵はひとり、そこが伊勢佐木町らしさ。ところが歌の方は、僕がうろつくこの街はどこかパリーに似ている、と来るから、ん?背中丸めてうろつくのは伊勢佐木町が似合うと思うんだけど、なんと、パリーなのか?となる。というか、先に歌詞を知っていて当たり前に聞いていたけど、伊勢佐木町で写真みたいな光景を見ていたら、男ひとり背中丸めてうろつくのはパリまたはパリに似てる場所よりも横浜伊勢佐木町ではないか!と思ったのですね、順番として。歌詞の方は、パリーに似てるのあとは、優しい女のため息なんか聞きたい、と繋がるから、この男たちの思いは、まぁ、伊勢佐木町でうろいてる男もおんなじだろうな。

 こういうどうでもいいことをふと考えたりするわけですね。写真を撮るとそんなきっかけになっちゃったりするわけです。